市東農地決戦の先頭に立つ 全学連三里塚現地行動隊日誌 鳥・虫害、自然との闘い 営農を支えぬく 全学連三里塚現地行動隊長

週刊『三里塚』02頁(0912号02面01)(2015/01/26)


市東農地決戦の先頭に立つ
 全学連三里塚現地行動隊日誌
 鳥・虫害、自然との闘い
 営農を支えぬく
 全学連三里塚現地行動隊長

(写真 上はキャベツ畑。無農薬の野菜は虫の大好物。あちこちに穴が開いている。下は移植された玉ねぎ畑【1月21日撮影】)


 二十四節気の一つ、一年で最も寒さが厳しくなる大寒を迎えた三里塚現地では、霜柱が立ち毎朝美しい風景が広がります。霜柱は関東ローム層のような土の粒子が程よい大きさで、よく耕された畑で立ちやすいと言われます。
 市東さんの畑はまさに霜柱に最適な畑です。霜柱は、美しい姿とはうらはらに「霜崩れ」と言う、根が浮き上がってしまう現象も引き起こします。
 先日、この「霜崩れ」と格闘しながら玉ねぎの移植を行いました。凍った土が溶け出す昼ころまで待ち、込み合っているところの苗を間引いて、植わっていない場所にしっかりと根付くように植えなおす作業の繰り返しです。玉ねぎは時期が大切で、早めに植えてもトウ立ちをしてしまいます。
 この時期を見極めるのが農家の腕の見せ所。夏ころには収穫を迎えるのですが、それまで草取りなどまだまだ手間のかかる作業が続きます。寒風吹きすさぶ中での作業は人間には応えますが、ネギは案外丈夫です。
 「葱白く洗ひたてたる寒さ哉」(芭蕉)
 一方、寒さが苦手なのは、サツマイモです。サツマイモは10度以下になると腐ってしまうので、霜が降りる前に掘り、湿度と温度を管理するために「イモ穴」に保存しています。「イモ穴」は室(むろ)とも呼ばれ、サツマイモ農家のところには、簡易エレベーターで降りるような立派な「イモ穴」があります。
 市東さんの畑の「イモ穴」は畑の脇にあり2㍍ほどの深さです。これから端境期(はざかいき)を迎え野菜の収穫が減る中で、活躍するのがこの「芋穴」から取り出したイモです。イモは収穫してからある程度寝かせた方が、適度に水分が抜け甘みが増します。しかし、寝かせている間に、腐ったり、ねずみにかじられたりもします。今年は、例年に比べ腐りも少なくま ずまずの状態です。
 サツマイモは、ゆっくりと加熱した方がより甘みが引き出されるそうです。お茶の時間に頂く、ストーブの上でゆっくりと過熱したサツマイモの味は格別です。援農に来た際にはぜひご賞味を。
 最後に、寒いとはいえ、例年に比べ暖かかったためか、虫が最近まで生き延び、それをついばむ鳥のためキャベツが壊滅的です。市東さんは、「見せしめに何匹か殺そうか」などと冗談を言っていますが、被害は深刻です。
 一方、同じ鳥でも、食物連鎖の頂点に位置し、生態系が健全でないと生息できないと言われるオオタカが、南台の畑で市東さんによって発見されました。オオタカが、このキャベツを食い荒らす鳥たちを蹴散らしてくれるといいのですが......。

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