全学連三里塚現地行動隊日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 農業の大切さを実感 耕す権利は生きる権利 全学連三里塚現地行動隊長

週刊『三里塚』02頁(0918号02面03)(2015/04/27)


全学連三里塚現地行動隊日誌
 市東農地決戦の先頭に立つ
 農業の大切さを実感
 耕す権利は生きる権利
 全学連三里塚現地行動隊長

(写真 反対同盟と支援は第24回目の一斉行動に取り組んだ【写真は打ち合わせ=4月12日】)

 春を告げ知る鳥、ツバメが萩原富夫さんの作業場の屋根に巣作りのための物色にやってきました。冬の間に分解されなかった落ち葉などの有機物が豊かな栄養分となって発生する虫を求め、今年も北上してきたのです。子育てに必要な食料となる虫は、意外にも常緑樹が多い低緯度の熱帯雨林よりも、広葉樹の多い高緯度の地域の方が多く発生します。

発見と驚きの連続

 市東さんのキャベツはこの虫を求めてやってきたヒヨドリの大群にやられてしまったのですが、作付け時期をずらしたキャベツはもう少しでケースに入ります。肥沃な土壌だからこその格闘です。
 ツバメがやってきたとは言え、例年に比べ寒く不安定な天候が続いているために、にら、レタス、キャベツなどの成長が遅れています。間引き大根やいも穴から取り出したサツマイモ(紅はるか)が〟リリーフ〟を務め、「野良の草」だと言って年貢の取り立てを逃れたという由来を持つ野良坊菜やホワイトスティックという小型の大根が〝エース〟を務め、端境期を支えています。
 きゅうり、かぼちゃを先頭に、トマト、ズッキーニ、とうがん、なす、ピーマンの苗が今や遅しと定植を待っています。 気候や草、虫・鳥などの自然条件に左右されながら、安心でおいしい野菜を安定的に作りだす努力は並大抵のことではありません。しかし、私自身微力ながら農作業を手伝う中で経験する発見や驚きはその「苦労」も忘れさせます。人間が生きるために必要不可欠な食料を生産し、届け、命を支える誇り、喜びはお金にかえることはできません。
 労働者の労働が資本家のためでないのと同様に、農民の労働・生産物も資本や国家の利益のためにあるのではありません。ましてや戦争のために農地を奪い、生きる権利・耕す権利を奪うことなど断じて認められないのです。

三里塚の共同性

 ロシア・プーチンによる核使用準備発言によって突き出されているように戦争・核戦争の衝動がかつてなく高まっています。他方、最大の焦点である東アジアで、4・24ゼネストに進撃する韓国・民主労総の闘いを先頭に、日米安保の最大実体である沖縄米軍基地建設への根底的怒りが71年以来の全島ゼネストへと発展しようとしています。「戦争か革命か」の歴史選択をかけた決戦が到来しています。
 かつて、デンマークの労働者階級はナチス・ドイツの占領に対し労働組合のゼネストでドイツ軍への通信運輸交通を断ち、農民も食料供給を拒否して撤退をかちとりました。
 宗教、国境を超え、戦争の経済的原因である独占資本の支配(その政治形態としてのブルジョア独裁)に対して労働組合を基礎に闘い、プロレタリア独裁権力を樹立することこそ戦争をなくす道です。
 「軍事空港絶対反対・農地死守」の意思、を国家というブルドーザーに押しつぶされずに、49年間闘い続けてきた三里塚闘争のもつ共同性・労農学連帯を今こそいっそう発展させよう! 杉並での北島邦彦さん圧勝&4・28沖縄デー闘争の歴史的爆発を共にかちとろう!
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