4・16 一坪裁判を闘う 更新意見で県を追及

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週刊『三里塚』02頁(0919号02面07)(2015/05/11)


4・16 一坪裁判を闘う
 更新意見で県を追及


 4月16日、千葉地裁民事第5部(松並重雄裁判長)で、一坪共有地裁判が開かれ、三里塚反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生は、勝利の気概に燃えて闘った。
 今回は冒頭に、右陪席裁判官の交代に伴う更新手続きとして、弁護団から意見陳述が行われた。この裁判は、千葉県が成田空港4千㍍滑走路北端近くにある駒井野の一坪共有地を、土地の共有者である故鈴木幸司さん、いとさん夫妻に明け渡すよう求めて06年に提訴したものだ。
 千葉県企業庁は「新産業三角構想」による「成田国際物流複合基地計画」の一環として、この一坪共有地を強奪し、一帯の土地を造成しNAAに譲渡するというのだ。
 だがその事業計画は、提訴から9年たって、根本から破綻している。膨大な債務が残り、企業庁は今年で解散と決まっている。県側はその事実を再三指摘されながら現状説明すら行わず、一坪共有地強奪の裁判は続けているのだ。
 そして、この一坪共有地は、空港反対運動の中でつくられた「三里塚に土地を持つ会」の組合所有であり、共有者個人から買収することはできない。ましてや、金銭補償の形をとって共有権を強引に奪う「全面的価格賠償方式」の適用は、違法・無効だ。
 千葉県はこれまで空港建設の促進者となって、天神峰・市東孝雄さんへの農地強奪攻撃に加担してきた。また裁判所も、空港に肩入れし著しく不公平な裁判を行ってきた。このような「国策裁判」を許さない。裁判所は本件訴訟を却下せよ。
 以上の弁護団の陳述に、県の代理人弁護士たちは沈黙するばかりだ。さらに弁護団は、学者、県企業庁、NAA幹部など7人の証人の採用を強く要求し、尋問事項書を提出した。
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