団結街道

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週刊『三里塚』02頁(0953号01面05)(2016/10/10)


団結街道


公開中の映画「ハドソン川の奇跡」は、09年ニューヨーク航空事故のサレンバーガー機長の手記に基づく▼離陸直後のバードストライクで、双翼エンジンが故障。失速する中、機長は近くの川に緊急着陸し、彼は英雄と賞賛された。しかし国家運輸安全委員会は、その判断を厳しく追及。審査会の着水までの208秒のシュミレート場面が、ハイライトだ▼映画で感心させられるのは、着水19秒前からの客室乗務員の女性たちの連呼だ。「身構えて!頭を下げて!衝撃防止姿勢をとれ!」訓練どおりのプロフェショナルな唱和だ▼サレンバーガーは、「自分は英雄でない」と言い、「ひとりの力ではない。乗務員・救命士すべての力」と強調する。そもそも航空運行は、機内乗務員と地上勤務員、空港・管制労働者などの協同労働の成果だ▼彼は、これに反する航空業界の外注化・非正規職化、労働条件の悪化に警鐘を鳴らす。9・11後、彼の給料は4割減、企業年金廃止。年収200万円以下のパイロットもいるという。新自由主義は、資本増大を極限化させ、運輸業の安全性を根底から損なっている▼成田空港では、国際基準に反した違法で危険な同時発着が強行され、パイロット・管制官の労働が強化されている。「空港機能強化」で住民や労働者が犠牲にされてはならない。そのためにも階級的労働運動を甦らせ、労働と社会を奪還しなければならない。
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