北総の空の下で 稲刈り終了 35年ぶり手刈り軸で

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週刊『三里塚』02頁(0954号02面06)(2016/10/24)


北総の空の下で
 稲刈り終了
 35年ぶり手刈り軸で


 10月15日、芝公園のTPP批准阻止集会に参加して、市東さん農地取り上げ反対署名をお願いしました。署名用紙に全国の県名が並びます。「おお、いいよ」と気さくに応じてくれる人が多く、日焼けした手に親しみを感じました。
 長野から来たというおじさんは「2日前に稲刈りが終わったばかり」とのこと。今年は8月下旬の3連続台風と9月の長雨が、農家を苦しめました。近隣でも、刈り残りや、輪だちの跡がくっきり残る田んぼが目に付きます。萩原富夫さんも市東孝雄さんも、コンバインを諦めて、バインダー(手押しの1条刈り機械)と手刈りで、何とか自家用米を確保しました。私にとっても、鎌を手に、1日中刈り続けたのは35年ぶりの事。この歳になって……という重労働でした。大事に使ってきた昔のコンバインでは濡れた稲穂を脱穀できず、稲作を諦める小規模農家が続出していると農民会議の小川浩さん。北海道なども被害甚大で、いまだに高値が続いています。産直野菜にも被害がありましたが、全滅することがないのは、時期をずらしながら多品目栽培する産直の強みです。
 有史以来続いてきた循環型農業を、暴力的に破壊して成立した資本主義社会の行き着く先がTPPです。多国籍企業の利益を最優先した条約は、99%の利益と対立します。
 ところで、晩年のマルクスが伝統的な循環型農業に活路を見出して研究を続けていた事実をご存知ですか?
北里一枝
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