闘わずにはいられない 現地調査を行って 首都圏大学 留学生・A

週刊『三里塚』02頁(0957号02面06)(2016/12/12)


闘わずにはいられない
 現地調査を行って 首都圏大学 留学生・A


 三里塚に行き、最も印象に残っているのは二カ所。その一つは東峰神社である。背の高い壁に囲まれ、そこらじゅうにある監視カメラに見られているような感覚で、一番不安になる場所だった。飛行機が通る時はあり得ないほどの雑音で、数分ほどしか居なかったのに、神社の上空を通った飛行機が三本も。東峰神社の前に立つと、自分の中の怒りがだんたん大きくなっていく。これはあり得るはずのない状況だとしか思えなくて、頭の中がホワイトノイズ。
 もう一つの印象に残っている場所は、東峰墓地。墓地というものは、亡くなった人が眠る場所だけでなく、歴史が残る場所である。そのため、巨大な空港を延伸しようとし、小さな墓地を見落とす国家は、三里塚農民の歴史を消そうとしているようにしか見えないと思った。
 日本のことを勉強しようと思って大学に入学したこの私は実は、授業で成田闘争のことを勉強することもできた。少しでも知識があったおかげで、日本に来る時はできるだけ成田空港ではなく羽田空港を使おうという決定もできた。しかし、来日するほとんどの観光客や留学生などは、現実を知らず成田空港を利用してしまうだろう。三里塚のことを、もっとたくさんの人に知らせなければならないと思った。
 歴史を消そうとする国家は許すべきではない。農地取り上げも許すべきではない。弾圧は絶対に許してはいけない。自分の目で三里塚を見たら、闘わずにはいられない。
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