〝鹿子木裁判長は強制執行停止を認めろ〟 執行停止申立で審尋 2・14千葉地裁デモへ 市東孝雄さんと団結し 農地死守の決戦を

週刊『三里塚』02頁(0960号01面01)(2017/01/23)


〝鹿子木裁判長は強制執行停止を認めろ〟
 執行停止申立で審尋
 2・14千葉地裁デモへ
 市東孝雄さんと団結し
 農地死守の決戦を

(写真 農地死守決戦を宣言した新年デモ【1月9日 成田市】)

 市東孝雄さんの農地を守る決戦が白熱化している。反対同盟は、この闘いの一環として、1・30耕作権裁判、2月14日強制執行停止申立の審尋当日、それぞれ、千葉地裁を包囲するデモを行うことを決定し、結集を呼びかけている。全力で決起しよう! 昨年11月30日、市東さんは最高裁の上告棄却決定に対し、強制執行は違法である(強制執行は許されない)ことを認めさせる請求異議裁判を千葉地裁に提訴した。同時に仮処分請求にあたる「強制執行停止の申立」も行い、2月14日の審尋が決定した。審尋は、請求異議裁判が終わるまでは執行できない決定を出させ、農地死守決戦の前進を切り開く闘いだ(別掲の解説参照)。千葉地裁・NAAを追い詰めるデモで執行停止を勝ちとろう。 

戦争・改憲の安倍政権倒せ

 審尋が認められた「強制執行停止の申立」の前提となる請求異議裁判は、空港会社が市東さんに農地と建物の明け渡しを請求していることに対して強制執行を阻止するための裁判である。弁護団は3点にわたって請求異議の理由を述べている。
 第一点目は、空港会社は強制執行を請求する権利を放棄していることだ。1993年6月16日、空港公団(現NAA)は、闘いに追い詰められ2期工事区域に関する収用裁決申請と明け渡し裁決申し立てを取り下げた。
 さらに、1994年10月11日、第12回成田空港問題円卓会議において隅谷調査団は「平行滑走路のための用地の取得のために、あらゆる意味で強制的手段が用いられてはならず、あくまで話し合いにより解決されなければならない」と述べ、当時の空港公団総裁、運輸相(現国土交通相)、千葉県知事も同意している。
 2003年3月14日付の黒野匡彦社長の「東峰区の皆様へ」と題する手紙の中では、一方的に暫定滑走路建設を行ったことについて謝罪し、今後はそうしたことはやらないと述べた。一審千葉地裁においてもNAA職員である戸井健司は、強制執行は考えていないと証言した。すなわち、NAAは、強制執行はやらないという意思を社会的・公的に明らかにしてきたのであって、強制執行の権利を放棄しているのだ。
 第二点目は、忌避申し立てがなされている裁判官による判決は無効であることだ。弁護団は控訴審において、東京高裁・小林昭彦裁判長、定塚誠裁判官らによる不当極まる訴訟指揮に対して裁判官忌避を申し立てていた。請求した10人の証人の採否もせず、判決で最も不利益を被る本人尋問すら拒否、裁判を受ける権利すら否定する裁判はありえない。忌避申し立ては当然の権利である。民事訴訟法には「忌避の申し立てがあったときには、その申し立ての決定が確定するまで訴訟手続きを停止しなければならない」との規定があり、小林裁判長らが「法律により判決に関与できない裁判官」であることは明らかだ。判決は、忌避申し立ての判断が確定していないにもかかわらず言い渡されている。したがって、控訴審判決は無効であり、強制執行はできない。

〝やらずぼったくり〟

 第三点目は、市東さんへの離作補償料が不払いであり、農地賃貸借解約申し入れ許可処分は、失効しているということだ。農地法20条による農地の賃貸借解約の申し入れ許可の条件として千葉県は「離作補償料の給付」と明記している。(離作補償料自身が公共用地の取得のための「完全な補償」には程遠いものであり、完全な憲法違反である)
 しかし、空港会社は、今に至るまで一切払っていないし、供託もしていない。千葉県知事の許可は効力を失っている。強制執行はまさに「やらずぼったくり」行為そのものなのだ。
 最後に、市東さんの農地は生きるために必要不可欠なものであり、命そのものである。安全安心の無農薬有機野菜を作り、届けるという産直でつちかわれた人間関係・信頼関係はこの農地なくしては成りたたない。生きる権利・耕す権利を奪う、農民殺しの強制執行は断じて認められない。
 2月14日当日は、午前10時30分から第3誘導路裁判が闘われる。その後に「強制執行停止申立」の審尋が行われる。
 1・30耕作権裁判―2・14審尋―3・2請求異議裁判に結集し、千葉地裁を包囲するデモをやろう。これらの闘いは、三里塚現地での農地死守決戦と完全に一体の闘いだ。トランプの登場で危機に陥っているのが安倍政権だ。大軍拡、共謀罪攻撃、沖縄・三里塚への拠点破壊攻撃は、朝鮮侵略戦争策動と一体だ。国鉄決戦とならんでゼネスト情勢をこじ開ける市東さんの農地死守決戦に決起しよう。

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2・14審尋とは

 審尋とは、民事裁判において、口頭弁論を開かずに当事者その他の利害関係人から書面もしくは口頭での陳述の機会を裁判所が与えること。
 今回の場合は、市東さん、同じ産直を営んでいる萩原富夫さんが、強制執行を停止すべきであるという意見を裁判所で述べることができる。裁判所はNAAの意見も踏まえて、必ずしも即決ではないが強制執行を停止すべきか否かの判決を下す。停止されれば請求異議訴訟が続いている間は強制執行ができないことになる。
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