4・24耕作権裁判闘争へ 農地死守・強制執行阻止! 千葉地裁包囲デモに立とう

週刊『三里塚』02頁(0965号01面01)(2017/04/10)


4・24耕作権裁判闘争へ
 農地死守・強制執行阻止!
 千葉地裁包囲デモに立とう

(写真 雨の中、成田ニュータウンを反対同盟を先頭に意気高くデモ行進。労働組合、学生自治会などが空港労働者へ連帯を呼びかけた【3月26日】)


 4月24日(月)、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で耕作権裁判の第32回弁論が行われる。強制執行実力阻止に奮闘する決戦本部の闘い、3月2日から始まった請求異議裁判と一体で、千葉地裁を包囲する裁判・デモに立ち上ろう。市東さん農地への強制執行阻止の闘いは、反対同盟と動労千葉の労農連帯を軸とした三里塚闘争を発展させ、急切迫する朝鮮侵略戦争を先制的に阻止する闘いだ。国家・資本と不屈・非妥協で闘う反対同盟を守り抜こう!

署名は偽造、本人書けぬ字

 前回の裁判で弁護団は、市東孝雄さんの父・東市さん(故人)が旧地主と交わしたとされる「同意書」「境界確認書」に記された東市さんの署名偽造について、これを証明する決定的な主張を行った。
 1985年、東市さんは軽い脳梗塞を患った。7月21日に芝山町菱田で開かれた成田用水反対集会に参加した東市さんは、集会後「今日は舌がもつれてうまく発言できなかった。言葉が出てこなかった」と周囲に明かしている。翌日、病院で「軽い脳梗塞」と診断され、同年末までリハビリ治療を行った。
 そのため、発症後はそれ以前に比べて明らかに筆勢が弱くなった。実際、1987年12月に千葉地裁で行われた空港2期工事差止請求裁判第10回弁論での、本人尋問宣誓書の署名が証拠と境界して提出され、明らかにされている。
 しかし、88年4月に作成されたとする「同意書」「境界確認書」の「市東東市」署名は、筆勢が強く運筆も乱暴で、とても本人が書けるものではない。署名の偽造は明らかなのだ。
 前回の法廷で、通院・リハビリ治療に同行して当時の様子を知る元三里塚現闘の陳述書が提出された。今回はさらにその補充書と新たな陳述書が提出され、署名が偽造である事実を明らかにしていく。
 また、NAAの「予備的主張」なるものをさらに徹底的に追及する。
 NAAは、「南台41番地の中ならどこでも耕作してよい契約だった」「少なくとも1988年の『同意書』『境界確認書』と添付の測量図面で(旧地主と市東東市さんが)合意した」と言いだして、南台農地における市東さんの耕作位置を特定することを放棄している。前回、これに対する弁護団の求釈明が出されたが、NAAの代理人はまともに答えることもできない。
 文書開示命令で窮地におちいったNAA。耕作位置の誤りと偽造文書問題で迷走するNAA。農地法裁判では、千葉地裁・多見谷寿郎裁判長、東京高裁・小林昭彦裁判長が姑息にすり抜けたさまざまな問題点について、耕作権裁判ではNAAを追いつめ、逃がさず、締め上げているのだ。耕作権裁判でNAAの違法・不法を決定づければ、農地法裁判の確定判決は理のないものになる。それで強制執行など断じて許されない! 絶対に阻止しよう!

市東さんの決意に応えよう

 「これからの裁判はまさに決戦です。市東さんへの強制執行を止めるためには、請求異議裁判・耕作権裁判・新やぐら裁判が一体的に重要になっています。一つひとつの裁判に全力で立ち向かい、勝利を重ねていくことが大切です」(3・26全国集会基調報告)
 まさにそうだ。二進も三進もいかないNAAは、ただただ千葉地裁の反動訴訟指揮にすがるしかない。しかも、最高裁が出した「農地を明け渡せ」の反動決定に基づいて、強制執行を実際に担うのが千葉地裁なのだ。千葉地裁包囲のデモと裁判傍聴闘争の圧倒的な取り組みが極めて重要なのである。
 何より、開始された請求異議裁判署名に全力をあげよう。
 署名は強制執行阻止の闘いそのものだ。これまでどれほど労働者民衆の怒りが司法反動の牙城・最高裁によって踏みにじられてきたことか。その最高裁が決定したことにストップをかけようという裁判であり署名なのだ。胸躍る挑戦ではないか。
 署名を通して、市東さんの譲れない思いに応え、あらためて団結をうち固めよう。裁判にとどまらず、何がなんでも強制執行は許さないという怒りを、もっともっと組織しよう。
 4月24日午前9時、集めた署名を持って千葉市葭川(よしかわ)公園に結集し、千葉地裁を包囲するデモを行って傍聴闘争に決起しよう。さらに、5月25日の請求異議裁判では、千葉市中央公園からデモを行う。連続した闘いへの全力結集を呼びかける。

------------------------------------------------------------
●耕作権裁判とは
成田空港会社(NAA)が市東家が耕し続けてきた南台耕作地の一部を「不法耕作地」と決めつけ、明け渡し請求を行っている裁判。2006年10月に提訴された。しかし、土地の位置特定は誤りで、NAAの証拠文書で署名の偽造が明らかになっている。その交渉過程に関する文書命令が出されたにも関わらず、NAAは提出を拒否している。

------------------------------------------------------------
4・24耕作権裁判・デモ
 4月24日(月)午前9時
 葭川(よしかわ)公園集合千葉市内デモ〜
 10時30分開廷 千葉地裁

このエントリーをはてなブックマークに追加