「強制執行反対署名」を集め5・25請求異議裁判・デモへ 耕作権裁判 更新意見で内田裁判長を圧倒 民主労総が熱い連帯表明

投稿日:

週刊『三里塚』02頁(0966号01面01)(2017/04/17)


「強制執行反対署名」を集め5・25請求異議裁判・デモへ
 耕作権裁判
 更新意見で内田裁判長を圧倒
 民主労総が熱い連帯表明

(写真 市東孝雄さんら反対同盟を先頭に千葉地裁を包囲するデモを90人の結集で意気高く打ち抜いた【4月24日 千葉市】)

(写真 ファンヒジュンさん、イヘジョンさん【右から】とともにトゥジェン!)


 朝鮮侵略戦争が超切迫する中、反戦の砦=三里塚を先頭に戦争阻止へと立ち上がるときだ。韓国・民主労総の仲間の熱い連帯表明に応え成田軍事空港を粉砕しよう。帝国主義とスターリン主義による分断と闘う朝鮮半島の労働者階級との国境を越えた団結こそ、朝鮮戦争を阻む力だ。動労総連合の青年を先頭に多くの仲間が三里塚現地を続々と訪れ、「不屈の精神」が職場闘争の糧となっている。反対同盟の新署名リーフを活用し署名を集め、さらに現地に駆けつけよう。
 4月24日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で、市東孝雄さんの耕作権裁判の第32回弁論が開かれた。
 午前9時に千葉市の葭川公園に結集し、太郎良陽一さんの司会で集会が開かれた。最初に来日中の韓国・民主労総のイヘジョンさんとファンヒジュンさんがあいさつに立ち、半世紀を超えて闘う不屈の三里塚闘争に熱い連帯を表明した。
 続いて反対同盟事務局を代表して萩原富夫さんが「農地強奪の強制執行を許さない。戦争と排外主義の流れに対し、三里塚は51年の闘いの歴史を引っさげて立ち向かう」と鮮明な決意を表した。
 動労千葉の中村仁さん、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会の連帯発言の後、意気高く市内デモに出発した。反対同盟は「耕すものに権利あり」と大書された横断幕を掲げデモの先頭に立った。デモ隊を見て裁判傍聴に参加する人も現れた。

文書は偽造だ!

 この日は左陪席裁判官の交代に伴い弁護団が更新の意見陳述を行った。
 2006年、成田空港会社(NAA)は市東さんの南台耕作地の一部について「不法耕作」と決めつけ、明け渡しを求めて訴訟を起こした。祖父の代から受け継いだ農地を耕し続けている市東さんを「不法耕作者」呼ばわりするとは、これほどひどい侮辱があるか。
 そもそも市東家の賃借地がどこなのかという位置特定について、NAAの認識はまったく間違っている。その間違いの根拠となっているのが、唯一の「証拠」としてNAAから提出された「同意書」「境界確認書」だ。これらは旧地主と市東東市さん(孝雄さんの父・故人)との間で交わされたものだとNAAは言い張るが、筆跡鑑定の結果、東市さんの署名は偽造と判明した。
 この偽造文書が作られた事情や経緯を明らかにするために、空港公団と地主との当時の買収交渉記録などの関連文書の開示は不可欠だ。ところが、裁判所から文書提出命令が出されたにもかかわらず、原告NAAは提出を拒否し続けている。
 そもそも転用のめどもないまま底地だけを買収し、しかも小作者である市東家にそのことを十数年も隠し続けてきたことは、明らかな農地法違反だ。買収は無効でありNAAには土地の所有権はなく、明け渡し訴訟を起こす資格などない!
 さらに弁護団は、当時東市さんが軽い脳梗塞を患い、字を書くことも不自由な状態であったことを明らかにする医師の陳述書、筆跡鑑定人の意見書などを提出した。
 その上で弁護団は、以前に開示された文書の一つが大幅に墨塗りされていることについて裁判長とNAAを鋭く追及した。怒号が飛びかう中、裁判長は「開示を求めるなら書面で」と言い捨て、次回期日を6月26日として閉廷を宣した。

この裁判に勝つ

 千葉県弁護士会館で報告集会が、伊藤信晴さんの司会で開かれた。最初に市東さんがあいさつに立ち、「墨塗りの居直りを許さない。NAAをさらに追及して弁護団とともにこの耕作権裁判に勝つ。農地法裁判の最高裁上告棄却決定もひっくり返す」と決意を表した。
 続いて弁護団が発言し、法廷での応酬を解説し、拙速裁判を阻止する強い姿勢を表した。質疑応答の後、太郎良陽一決戦本部長が「天神峰現地への結集を」と呼びかけた。最後に萩原さんが、5月25日の第1次提出へ向け、農地取り上げ強制執行に反対する請求異議裁判署名を反対同盟に集中するよう要請した。

このエントリーをはてなブックマークに追加