市東さんの農地守ろう 「強制執行反対」署名広げ

週刊『三里塚』02頁(0967号02面01)(2017/05/08)


市東さんの農地守ろう
 「強制執行反対」署名広げ

(写真 天神峰で営農を続ける市東孝雄さん)



(写真 「強制執行反対」署名を訴える同盟のリーフ)


 現在、成田市天神峰の専業農家である市東孝雄さんの農地をめぐる裁判が闘われています。市東さんは、空港公団(現NAA)が収用裁決申請を取り下げ、強制的手段は用いないと確約、謝罪したこともあり、父親から農業を引き継ぎ、無農薬有機野菜づくりに励み、消費者との信頼関係を築いてきました。
 そこに突然、NAAが自分が地主になったと言って農地の明け渡しを求めてきました。寝耳に水のことでした。そもそも、耕作者に秘密での底地の売買は農地法で禁止されています。しかも、NAAが「買収した」としている1988年以降も市東さんは小作料を地主に15年間払い続けていました。こんな暴挙は絶対に認められるはずがない。誰もがそう確信していました。
 しかし、NAAは「農地を明け渡せ」と裁判に訴え、裁判所はNAAの数々の違法・脱法にふたをして、必要不可欠な証拠・証人調べを突如打ち切り、農地の明け渡しを認める判決をふりおろしました。父祖の代から100年かけて育てた自慢の土で安全安心な有機野菜をつくり消費者に届けることに生きがい・誇りを持ち、日々誠実に働く市東さんの生きる権利・耕す権利を否定する断じて許すことのできない判決です。昨年10月、畑の一部とハウスや作業場などの明け渡し決定が最高裁で確定しました。しかし、「二度と強制的手段を取らない」と社会的に公言したNAAは裁判所に強制執行を求める権利はありません。
 そこで、市東さんは、NAAの執行請求を裁判所に認めさせないための裁判を提訴しました。ほとんど前例のないこの請求異議の申し立てですが、千葉地裁も裁判の開始と裁判が終わるまでの強制執行の停止を認めました。強制執行は許されないとする裁判が始まりました(請求異議裁判)。最高裁判決の執行を阻止することで、実質的に最高裁判決をひっくり返す前代未聞の挑戦です。市東さんは、国やNAAの札束や暴力的恫喝に屈することなく「一本100円の大根をつくりこの地で生きる」と、安倍農政の下で苦況にさらされている全農民の先頭に立って闘う決意を語っています。
 反対同盟は請求異議裁判勝利に向けた「強制執行反対」署名を呼びかけています。次回期日の5月25日に提出する予定で、23日が集約日です。25日は午前9時に千葉市中央公園に集合し、千葉地裁を包囲するデモも予定されています。街頭、職場やキャンパスの仲間に訴え広げましょう。

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≪三里塚闘争裁判≫
●5月16日(火)第3誘導路裁判
 午前10時30分 千葉地裁
●5月22日(月)新やぐら裁判
 午前10時30分 千葉地裁
●5月25日(木)請求異議裁判
 午前10時30分 千葉地裁
●6月9日(金)団結街道裁判
 午前10時30分 千葉地裁
●6月26日(月)耕作権裁判
 午前10時30分 千葉地裁

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