第2空港建設反対! 済州島住民の闘い “三里塚の精神持ち帰る〟

週刊『三里塚』02頁(0972号01面04)(2017/07/24)


第2空港建設反対!
 済州島住民の闘い
 “三里塚の精神持ち帰る〟

(写真 「第2空港決死反対」のボードをかかえて座り込みを行う韓国・済州島の住民)

 2015年11月に韓国政府の国土交通部は、済州島の西帰浦市城山邑(ソンサン村)を敷地とした第2空港建設計画を突然発表。島では大問題となり、「反対対策委員会」が組織され、反対運動に立ち上がった。国土交通部は11月10日、「事前妥当性に対する検討研究の結果決定した」と明らかにし、国土部は「2016年末には予備妥当性の調査に着手して基本計画などの手続きを経て、18年ごろに工事に着手、25年前までに運航を開始する」としている。規模は3200㍍滑走路1本、敷地500㌶とされている。反対対策委員会委員長・カンウォンボさんは、滑走路延長線下に住む騒音被害住民で、滑走路予定地の真ん中に5㌶の農地を持ち黒牛200頭を飼う酪農家だ。対策委員会は3つの村からなり、村の人口は合わせて4000人。反対集会を行えば1000人が参加するという。敷地内農家は40戸だ。 
 新計画の理由は、「済州国際空港の飽和」だとし、「2016年国内・国際線の需要が3000万人であるところ、処理能力は2300万人」だと言う。
 これに対する反対住民の主張は明快だ。観光客の増加は、住民の利益にはなっておらず被害だけをもたらしている。「儲かっているのは観光業者と外部資本だけ」「土地の買い占めで3・3平方㍍あたり5万㌆(5千円)水準だった地価が、ここ最近2〜3年の間に20万〜30万㌆台まで値上がりした。地元農民は大迷惑だ」と怒る。さらに、計画地周辺は、霧の発生が多く、空港の敷地としての安全性を満たしていない。加えて、豊かな自然の宝庫で天然記念物のスサン洞窟などが存在している。
 カンウォンボ委員長は7・9樫の木まつりで、「われわれに必要なのは金より健康、豊かな環境そして命」「空港建設はまだ調査の段階。住民は最終決定としては認めていない。今の段階なら必ず止められる」と語り、「三里塚の精神を持ち帰ってがんばる。今度は地元住民を引き連れて再び三里塚を訪れたい」と語った。三里塚から国際連帯を発展させよう。
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