請求異議裁判 〝強制執行の権利なし〟 執行阻止へ署名提出

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週刊『三里塚』02頁(0974号02面01)(2017/08/28)


請求異議裁判
 〝強制執行の権利なし〟
 執行阻止へ署名提出

(写真 千葉地裁に向けデモ行進【8月10日】)

(写真 全国からの署名を千葉地裁に提出)


 8月10日、千葉地裁民事第5部(高瀬順久裁判長)で、市東孝雄さんの農地の明け渡し強制執行を阻む「請求異議裁判」第3回弁論が開かれた。
 開廷を前に、千葉市中央公園で決起集会が開かれ100人が結集した。最初に司会の太郎良陽一さんが、前日に反対同盟事務局長の北原鉱治さんが亡くなったことを伝え全員で黙祷を捧げた。
 東峰の萩原富夫さんが最初に発言に立った。「先輩方の遺志を継ぎ、空港絶対反対の闘いを貫く。市東さんの農地を守り、住民の生活を踏みにじる空港機能強化と闘う」と決意を述べた。
 次に動労千葉の田中康宏委員長が連帯発言に立ち、北原さんを「動労千葉の闘いの最高の理解者」とたたえ、動労本部カクマルに対する猛抗議にともに立った思い出を語り、第3の国鉄分割・民営化攻撃を粉砕する決意を述べた。
 連帯発言を受けた後、婦人行動隊の宮本麻子さんが力強く訴える宣伝カーを先頭に千葉地裁までデモ行進した。
 続いて、強制執行阻止を求める署名第2次分2429筆(第1次分と合わせて8824筆)を提出し、萩原さんが「強制執行を許さない」との申し入れ書を読み上げた。
 法廷で弁護団は「強制執行権の行使は権利濫用であり許されない」と断言し、その内容を3点にわたって展開した。
 ①1993年の成田空港問題シンポジウムの最終所見で「平行滑走路の用地取得のために、あらゆる意味で強制的手段が用いられてはならない」と確認された。ところがNAAは、農地法裁判の反動判決が確定するや、それまでの沈黙の態度を一変して強制執行をあからさまに求めてきた。
 ②1971年の第2次強制代執行の違法無効性を争う裁判で、故大木よねさんの遺族である小泉英政夫妻(東峰在住)とNAAとの間で、2015年に最終的な和解が成立した。国、県、NAAはよねさんの生活を根こそぎ破壊した代執行について、「空港建設を急ぐあまり話し合いの努力が足りなかった」と謝罪した。その一方で、NAAは市東さんに対しては「話し合いの努力」など一切なく、土地の明け渡し訴訟を起こし、その判決を振りかざして強制執行を求めている。
 ③市東さんの南台耕作地は空港敷地内外にまたがっている。敷地外の部分については「貨物用機材・特殊車両の置き場にする」とNAAは主張しているが、これは解約許可を県知事からかすめ取るために急遽でっちあげられたものだ。
 以上から、強制執行は権利濫用そのものだ!
 圧巻の陳述に、傍聴席から拍手が起きた。(次回期日は11月6日)。
 報告集会が伊藤信晴さんの司会で開かれた。最初に市東さんがあいさつに立ち、力強い決意を述べた(別掲)。続いて葉山弁護士が「市東さんへの強制執行を何としても止める」と決意を述べ、弁護団全員が勝利への展望と意気込みを語った。連帯発言で動労水戸の木村郁夫書記長が、北原さんの思い出を交えながら、三里塚勝利の決意を述べた。
 最後に萩原さんが、10・8全国総決起集会を市東さん宅南に位置する萩原さんの畑を会場にして開催することを明らかにし、「51年闘ってきた三里塚の勝利を一層発展させよう」と訴えた。

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市東さんの発言

 北原さんのぶれなく、信念をもってやるという生き方を私も学んでやっていく。耕作権裁判とこの裁判に何としても勝って、空港会社にひと泡ふかせる闘いをこれからもしていきたい。

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