10・8全国集会に集まろう 〝再びこの地に大地の乱を〟 三里塚反対同盟は訴える

週刊『三里塚』02頁(0975号01面01)(2017/09/11)


10・8全国集会に集まろう
 〝再びこの地に大地の乱を〟
 三里塚反対同盟は訴える


 三里塚芝山連合空港反対同盟は10・8全国総決起集会の招請状を発した。故北原鉱治事務局長の闘魂を受け継ぎ、市東さんの農地死守! 第3滑走路粉砕へ! 戦争のための農地強奪攻撃と闘い続ける反対同盟は、騒音下住民の闘いと固く結びつき、安倍打倒の民衆総決起の怒りの中心に立とうとしている。天神峰の市東孝雄さんと東峰の萩原富夫さんにお話をうかがった。

原則曲げずに闘う
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 ----北原鉱治事務局長が逝去されました。
 亡くなったことは本当に残念だけど、先輩たちの「軍事空港絶対反対、農地死守・実力闘争」の原則を曲げずにこれからも闘う。「若者たちの未来に戦争を繰り返させてはならない」の願いを引き継いでいきたい。

(写真 7・9現地闘争&樫の木まつり【成田市】)

安倍に募る怒り

 ----安倍は2020年改憲を宣言しました。
 安倍は最初の頃、じいさんの岸信介が出来なかったことを自分がやるんだなんて言っていた。そういう浅はかな考えだよね。昨日は、麻生副総理がヒトラーを賛美することをまた言った。そういうお友達内閣だから安倍にモノ申す人もいない。今の政治に全く期待はできない。他方で「どこの国の総理ですか」って長崎の被爆者に言われたように、みんな怒りを持っている。
 ----怒りの先頭で闘ってきたのが三里塚です。
 ここまで空港が出来ているのになぜ反対するのかって言われることが多かったけど、この頃は変わってきている。地域への働きかけが実を結び始めている。第3滑走路問題も、「4者協最終合意を得て事業着工へ」なんて新聞に報道されているけど、そう簡単にはいかない。そもそも合意とは何なのか。東峰の説明会ではNAAは追及されると何も言えないし、国交省も一言もしゃべらなかった。説明会ではなく報告会だ。だから猛反発を受けて「見直し」案なんて出してきたけど、何も変わっていない。黙っていれば彼らは本当に好き放題やるということにみんなが気づきだした。

農業破壊許さぬ

 ----国際医療福祉大学をめぐる癒着・腐敗の問題も暴かれています。
 最後は自分のところに金がくればいいっていう考え方だよね。反対する側も、空港にお世話になっているからある程度の条件や金が取れればいいと。だけど、この地で生活し騒音なんかで苦しめられていることと、空港で仕事をしていることは別なんだよ。市の農業委員会も「空港はフリーパスだ」って裁判で証言したよね。
 ----農業委員会の死ですよね。
 農業をないがしろにして栄えた国はない。そもそも農業は儲けるという考え方になじまない。先祖から頂いた農地を守りながら家族を養って生活していくのがもともとの百姓。工場野菜とか大規模農業だとか言って、たくさん人を雇って法人化しても1年2年では利益にならないから、結局大手もやめちゃっている。農家をつぶして食べ物は輸入すればいいなんてとんでもない。
 ----最焦点の請求異議裁判について。
 デタラメなことをやっているのはNAAの側だというわれわれの主張の正しさが、裁判所を押し込んでいる。そして、判決が出たにも関わらず、いろんな人が現地に来てくれていることが権力に圧力をかけていると思う。右翼は「市東さんを解放しろ」とか「利用されている」と言って押しかけて来たが、この前はおとなしかったな(笑)。
 ----他の裁判でもNAAを追い詰めています。
 耕作権裁判の文書提出命令で出された文書は墨塗りだらけ。加計学園もそうだけど国のやる公共事業で出してくる文書はなんであんなに墨塗りなのかね。ヤグラ裁判も向こうが訴えてきたにも関わらず、証拠は出さず全部裁判所にお任せ。そんなのは絶対に許せない。団結街道裁判では、露骨に裁判所が市をかばっている。第3誘導路裁判で国は「もともと空港ができるところだった」「うるさいと分かって帰ってきた」とか勝手なことを言っている。事業認定を取り下げて、土地収用法は適用しないと宣言したのは向こうなのにね。
 ----福島・沖縄に対する思いと10・8全国集会へのアピールを。
 空港、基地、原発と形は違うけど、国策のためのお金を使った分断や見せしめ的な弾圧は一緒。国策に対して闘う人たちともっともっとつながっていきたい。三里塚に行こうという取り組みをやり、こちらからも全国に行きたい。聞くのと見るのは違うからね。
 ぜひ10・8三里塚に来てください。

裁判に必ず勝つ!
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 ----3世代も続く闘争は世界でも類例がありません。
 日本の反戦運動や住民運動のベースに三里塚闘争があると感じている。あれだけの激しい闘いをやり、国が謝罪し、代執行はやりませんと言わせた。一般的には、シンポ・円卓会議でもう終わりになったと宣伝されたが、敷地内の農民を残して終わるなんてとんでもない話。敷地内の農民ががんばる以上最後まで闘うということだと思う。
 90年代の過程で団結小屋の撤去、現闘本部の封鎖という攻撃をのりこえて現地の支援体制をつくって継続してきた。2000年代に入って、暫定B滑走路を開港させ、ついに市東さんの農地まで手をかけてきた。許し難い事態だ。
 それが2003年。それ以来14年。裁判は11年続いている。やっぱり農民から農地を取り上げるということの不法性、不当性ということの中で、空港の「公共性」以外にNAAは押し切る論理がない。
 法律的に見たって農民の権利を尊重しなければならない。請求異議裁判も一旦は裁判官を農民の主張を受け止めざるを得ないところに押し込んで勝利的に進んでいると思う。だけど油断はできない。絶対に勝利するという確信をもち必死になって裁判闘争を闘っていくことだと思う。いろんな知恵を絞り闘いを組みながら、絶対に勝つということでね。そういう意気込みで今やっている。
 ----現地での取り組みも前進しています。
 1月冒頭から決戦本部を立ち上げ、本部長の太郎良陽一さんを先頭に受け入れ態勢をみんなでつくってきた。今まで来たことのない人や団体、様々な人が立ち寄ってくれている。そこで三里塚の闘いのすごさをみんなが感じてくれている。そういう中で僕らも自分たちの闘いのすごさをあらためて感じるというね。お互い勇気をもらいながらやっている。

天神峰への愛を

 ----12月の交流会に続いて、樫の木まつりも大成功でした。
 やっぱり天神峰を守るという市東さん・反対同盟と同じ思いをもってもらいたい。
 ----天神峰を愛してほしいと。
 ちょっと恥ずかしくて照れくさい言葉だけどやっぱり愛(笑)。愛するところから一緒に闘うことが大事ですよね。
 ----空港機能強化との闘いについて。
 市東さんの農地を取り上げて空港を拡張するということと、第3滑走路建設、B滑走路の延長は一体。一緒に闘い勝利していきたい。空港建設の裏にあるのは農業・農民蔑視。農村地帯をぶっつぶして空港建設をすることを何のためらいもなくやる政策に対して、農民こそが農地、農業、自然環境はかけがえのないものであって絶対に守っていく必要があると訴えなくてはいけない。市東さんが農地は自分の命と同じだと、「農地は命」というスローガンのもとで闘っているけど、もっと自分らも勉強して豊かに語ることが大切だと思っている。
 ----小池都知事が関東大震災の朝鮮人犠牲者への追悼を拒否しました。
 経済の行き詰まりの中でナチズムが発生した時代と似てきている。安倍打倒と同時にネオナチ、KKKといった排外主義との闘いに勝っていかないといけない。
 ----三里塚が差別を許さない、権力者をぶっとばすという気概を見せることが重要ですよね。
 自分の生活の場、労働現場、地域で闘おうと呼びかけているわけだけど、僕らの闘いを見てもらって、勇気をもって闘ってほしいと訴えたい。空港は絶対反対、絶対負けないという思いで闘い続ければ、市東さんの農地をもう10年以上守り続けている。国策でもそう簡単にはいかないという闘いをしている。

(写真 済州島海軍基地建設反対の集会で反対同盟旗を持つ空港反対委員会【8月2日】)

済州と熱く連帯

 ----一途に貫いていることが信頼され韓国の仲間ともつながりました。
 実は、樫の木まつりに来た済州島第2空港反対委員会の人たちとずっとつながっている。
 8月2日に済州島の海軍基地建設反対の平和行進が行われて、そこで空港反対委員会が反対同盟旗を掲げてデモをやって、成田空港反対のシュプレヒコールをした動画を送ってくれた。
 ----労農連帯・国際連帯の中心という意味での三里塚の位置があらためて高まっていますね。
 国策と闘う沖縄や反原発運動、そして晩年北原さんが執念をもって語っていた戦争・改憲反対の闘いとしっかりつながって、勇気をもって共に闘いたい。大きなうねり、流れをつくり、反対同盟が自覚をもって全国の人たちに訴え、つながって三里塚勢力を拡大したい。
 10・8全国集会への大結集をお願いします。

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