誘導路裁判 〝責任者名を明かせ〟 NAAかばう裁判長を追及

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週刊『三里塚』02頁(0991号01面03)(2018/05/14)


誘導路裁判
 〝責任者名を明かせ〟
 NAAかばう裁判長を追及



(阪本勝裁判長)


 4月24日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で第3誘導路裁判が開かれた。
 この裁判は、国とNAAを相手に、B滑走路の2500㍍への延長(2006年)、第3誘導路建設(2010年)という二つの変更許可処分の違法性を追及し、B滑走路の使用禁止、飛行の差し止めを求める訴訟だ。
 千葉地裁はこの日、入庁者に対する不当な手荷物検査を一段とエスカレートさせた。早朝から裁判所の職員が総出でロビーに陣取り、「バッグを開けて中を見せろ」としつこく求め、金属探知ゲートを通ることを強要した。さらに、裁判所内に待機していた千葉県警の刑事が10人以上も現れ、この不当な人権侵害に抗議する人々をカメラ、ビデオで撮影し始めたのだ。一人が「構外退去」を命じられた。裁判所と警察が一体の不当極まる人権侵害と弾圧を絶対に許すことはできない!
 午前10時30分に開廷すると、顧問弁護団は裁判長に対し猛然と抗議。裁判長は、弁護団と傍聴者の怒りに圧倒されながら、「ご意見があったことは伝える」と渋々述べた。
 弁護団は前回の裁判までに、二つの変更許可処分にかかわる被告(NAA・国交省)の担当責任者を明らかにするよう求めていた。裁判長は3月29日付で「事務連絡」として「まず原告=反対同盟側が具体的争点との関連性を明らかにしろ」などと書いた文書を送りつけてきた。今回弁護団は、この転倒した要求に対し猛然と反論した。
 「処分は適法だ」と言うならその立証責任は当然被告にある。ところが国は、手続きのことを並べただけで、適法性の主張にまったくなっていない。航空法39条に「空港設置計画は、他人の利益を著しく害することとならないものであること」とあるが、この要件を満たすものとして国・NAAとの間で誰がどこでどういう協議をし、誰がどういう根拠で適法と判断したのかを問いただしているのだ。原告に責任を転嫁するな。被告に釈明をするよう促せ!
 しかし阪本裁判長は、不明瞭かつ無内容な言い方で「どういった項目を立証の柱に立てるのか......」などと、あくまで弁護団に向けて「要求」を述べ立てる。結局、成田空港が騒音・農業破壊・立ち退き強要などで他人の権利を侵害し続けてきた現実をごまかし、国・NAAへの追及と責任者の証人喚問を妨げようとしているのだ。
 さらに弁護団は、昨年7月に発生した重大インシデント(B滑走路南端の東峰での離陸時の超低空飛行)と騒音問題で、空港の危険性、反人民性を強力に突きつけた。
 次回期日を8月3日として閉廷した。
 千葉県弁護士会館で報告集会が開かれ(写真)、弁護団全員が裁判所の姿勢を根本的に弾劾し、勝利への決意を述べた。午後から反対同盟と支援連は、千葉市街地で「強制執行反対」署名を呼びかけた。

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