団結街道裁判 〝成田市長の証人採用を〟 廃道の責任を追及

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週刊『三里塚』02頁(0993号01面04)(2018/06/11)


団結街道裁判
 〝成田市長の証人採用を〟
 廃道の責任を追及

(写真 阪本勝裁判長)


 5月29日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で団結街道裁判が開かれた。
 市東さんの営農を妨害するために強行された2010年の団結街道の封鎖・破壊に怒りを燃やし、反対同盟顧問弁護団は意見書を陳述。あらためて小泉一成成田市長を証人として採用することを強く求めた。
 前回の証人尋問で市の元土木部長・中村壽孝は、厚顔無恥にも「道路法第10条の廃道要件を満たしていた。廃止の決定は市の執行部がした。付け替え道路を整備したので、市東さんの不利益は少ない」などと言いながら、弁護団の反対尋問を受けると無責任きわまる応答に終始した。成田市との協議でNAAはどのような説明をしたのか、「知らない」。土木部はどのようなかかわり方をしていたのか、「わからない」。廃道要件の検討はしたのか、「していない」。住民が現に耕作している土地に隣接する道路を廃道にした前例はあるのか、「わからない」。毎日何回も畑と家を往復している市東さんの被った被害は、「わかりません」......。
 万事この調子だった。
 団結街道の廃道は、土木部が中心となって行う通常の道路行政の検討と手続きではなく、NAAの意を受けた「政治的案件」として小泉市長の「鶴の一声」で決定し進めたものだ。中村証言は、被告・市が廃道の正当性を主張する上で何の証明にもなっていない。ならば「空港との共生」を掲げる小泉市長を直接問いただすしかない。重ねて市長の証人採用を求める!
 さらに弁護団は、片山敏宏・元成田市副市長を証人として追加申請した。成田市では09年から、国交省送り込みの官僚を空港事案を専門に担当する二人目の副市長にすえている。片山はその最初の副市長で、反対同盟や弁護団の抗議・申し入れに対応し、また市議会で廃道の件で答弁を行っている。
 阪本裁判長は証人採否の判断を先送りにし、次回期日を10月12日(金)10時30分開廷、次々回を11月2日(金)午後2時開廷として閉廷した。
 千葉県弁護士会館で報告集会が伊藤信晴さんの司会で開かれた。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団があいさつし、空港の手先となり住民生活を破壊する市のあり方を根本的に批判した。「市東さんの農地取り上げに反対する会」とユニオン習志野の菊池晴知委員長が連帯発言を行った。
 反対同盟と支援連は午後には初夏の強い日差しのもとで情宣活動に立ち、市東さんへの農地強奪強制執行反対を訴え署名を集めた(写真)。

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