証言に立つ市東さん、萩原さんと心一つに 6・28千葉地裁包囲デモを

週刊『三里塚』02頁(0994号01面01)(2018/06/25)


証言に立つ市東さん、萩原さんと心一つに
 6・28千葉地裁包囲デモを

市東孝雄さんに聞く
 〝正義の闘い貫く気持ちで〟

(写真 市東孝雄【しとうたかお】さん。千葉県成田市天神峰の専業農家。祖父の代から受け継いだ農地で、完全無農薬の有機野菜を栽培。成田空港の農地強奪攻撃と闘う。)

(写真 南台の畑で春菊を収穫する市東孝雄さん)

 6・28請求異議裁判が目前に迫った。最高裁上告棄却決定から1年8カ月。いよいよ三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さん、萩原富夫さんが証言に立つ。NAA(成田空港会社)の違法・無法を許さず、軍事空港絶対反対・農地死守の正義を貫き、この地で農業を続けると宣言する市東さん、萩原さんと心一つに千葉地裁を包囲するデモ・裁判傍聴に駆けつけよう! 裁判に勝利し、農地を守る決意を市東さんにうかがった。結審策動と対決して開かれる7・8天神峰樫の木まつりへの結集を事務局の伊藤信晴さん、太郎良陽一さんに呼びかけていただいた。

「闘魂ますます盛んなり」

 ----農地取り上げの最高裁上告棄却から1年半以上たちました。
 一審の多見谷寿郎裁判長があまりにずさんだった。証人採用も全然しないまま性急に判決を下ろしたけど、耕作権裁判もやぐら裁判もまだ一審で続いている。NAAは畑を取る理由としていた倉庫は別の場所に造ったし、「へ」の字誘導路でも問題なく飛んでいる。
 ----NAAの目的は反対運動つぶしです。
 結局それしかないでしょ。「暴力的で一方的なやり方は取らない」と言いながら、今までも平気で権力を後ろに立ててやってきた。夜明け前の時間に団結街道の封鎖や現闘本部撤去をやったり、葬式で留守の時にフェンス張ったり。「話し合い」と言うんだったら白紙の状態からでないと。
 ----東京高裁が袴田巌さんの再審を認めない決定を出しました。
 袴田さんが亡くなるのを待っている汚いやり方だ。うちの場合も親父が亡くなれば、いつでもどかせると思っていた。
 ----だけど99年の全国集会で「闘魂ますます盛んなり」と闘った父・東市さんの遺志を継ぐと宣言した。
 あの言葉は親父の気持ちそのものだと思ってあいさつの中に入れた。親父と一緒に闘っているという励みになっている。特に親父は兵隊に行っており、戦争に行った者にしか分からない何かがあって軍事空港絶対反対となったんだろうね。

戦争と軍事空港に反対し

 今の安倍政権はいつでも戦争できるように準備している。北原事務局長も戦争が始まる前の動きと似ていると言っていた。三浦五郎さんも、鈴木幸司さんも同盟に残った人たちはやっぱり戦争は間違いだったと言っていた。それで国策としての成田空港に反対して闘ってきた。そういう闘いをこれからも続けたい。
 ----福島や沖縄で「三里塚のように闘おう」という気運が高まっています。
 沖縄の座り込みを見てもあれは単に「非暴力」じゃないと思うよ。ごぼう抜きをやられてそれでも座り込んでというのは非暴力以上の闘いだ。形を変えた武装の一つでもあるわけだよね。
 ----高瀬裁判長は7月結審を狙っています。
 裁判長の企みをひっくり返す意気込みで証言したい。ただ、俺が裁判所で言おうとしていることは、傍聴に来てくれている人はみんなすでに知っているだろうけどね。
 ----傍聴席と一体になった気迫で裁判所を追いつめましょう。
 あんまり傍聴席が騒ぐと頭が真っ白になって話そうとしたことを忘れちゃうけどね(笑)。
 だけど裁判所はこんな状況でどんな判決が書けるというのか。デタラメな判決は絶対に認められないと言いたい。
 それと、三里塚闘争は金で動いているんじゃないということを示していく。みんな自分の中に芯をもっている人が闘っている。われわれ反対同盟も支援もお金じゃなく正義を貫くという気持ちでやっている。それが反対運動をこれだけ長く続けられる要因だ。

若い人とともに闘いたい

 ----天神峰樫の木まつりについて。
 今回はいつ結審になるかという状況の中で開く。動労千葉も新たな闘いをやっている。常に新しいものを生み出していかないと。みんなで意気揚々とやっていれば権力も簡単には来れない。そういう敵にダメージを与える祭りにしたい。
 ----昨年は韓国済州島から、この間はAFP通信が現地を訪れました。
 今度10年前に来たドイツの国営テレビが空港開港40周年ということで改めて取材に来る。
 ----国際的な注目を集めていることも力になりますよね。
 そうだね。こういう騒音の中でも、先祖代々の土地を守りながら無農薬有機野菜をつくって暮らしている農家がいるということを世界の人にも知ってもらえればいい。
 ----若い人に向けてアピールを。
 ここで自然体で農業をやっているのが俺の生き方だ。それに共鳴・共感してくれる人が若い人の中で出てくれば。今のところ年配の方が昔やっていて今また改めてやろうという人が多いね。
 年配者も大事だけど若い人にこそ、一回と言わず現地に何度も足を運んでほしい。自分も同じ気持ちになって闘うという若い人がどんどん出てくれば、俺ももっと張り合いがでてくるしさ。
 ----市東さんの思いは確実に響いています。ありがとうございました。

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