北総の空の下で 〝人生に悔いなし〟 小山同志送り

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週刊『三里塚』02頁(0994号02面06)(2018/06/25)


北総の空の下で
 〝人生に悔いなし〟
 小山同志送り


 この歳になると、見送った人の数もすぐには思い出せないほど多くなりました。しかし、40年近く同じ釜の飯を食った現闘の仲間を見送るのは初めてです。心身ともに一番屈強だと思っていた小山さんが、こんなにもあっけなく逝ってしまうなんて! 年末に胃がんが見つかった時はすでにステージ4と聞いて耳を疑いました。それからの半年、抗がん治療を続けながらも運転して周辺地域の人に会いに出かけていたので、まだまだ大丈夫と思っていたのに……。
 静かに微笑む葬儀の遺影は、以前娘さんが撮った写真とのこと。「月に1、2度しか会わない父でしたが、人生の節目節目にアドバイスを貰った」と涙ぐむ娘さんが、彼の最後の闘病を支えました。
 「週刊三里塚を読みたいと手紙を出したら会いに来てくれて、それ以来の付き合い。何かを強制されることはなかったが、マルクス本の学習会を一緒にしてくれた」と振り返るAさんは、今や千葉の中心活動家です。
 周辺地域で、空港の地域破壊と闘うBさんは「こういう資料が欲しいと言うとすぐ揃えてくれた。この半年は一人でも多くの人に会って繋げていくために全ての力使っていた」と振り返りました。
 葬儀で出会った人々を通して、彼の懐の広さを再認識しました。
 彼は「我が人生に悔いなし」と、死を淡々と受け入れていたように思います。渡されたバトンは重いけれど、三里塚闘争の中で、私たちの中で、彼は生き続けます。
北里一枝
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