団結街道

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週刊『三里塚』02頁(0995号01面04)(2018/07/09)


団結街道


 国連の世界人口予測2017年版によると地球の総人口は75億5000万人から30年には85億5100万人、55年には100億人を突破するという。アメリカ並みの生活を全人類が行うとすれば地球5個分の資源が必要だそうだ(ニューズウィーク日本版7月10日号)▼閉じた環境下での生物種の消長を示すロジスティック曲線という理論式がある。ある時期での急激な増殖という局面と環境容量の限界に接近した後の、増殖の停止、安定平衡の局面への移行とが示されるS字型の曲線のことだ▼人類もこの理論式の例外ではない。世界全体の人口増加率はすでに1970年を先鋭な折り返し点として急激に低下し続けている。人類は安定的均衡に入れるのか、それとも絶滅する種になるのか▼ニューズウィークでは「世界人口が文明を破壊する」としてマルサスの亡霊が甦ったかのような主張を展開している。ロジスティック曲線に依拠し、欲望の構造を問題にする見田宗介は経済競争の強迫から解放された、幸福感受性の奪還を呼びかけている(『現代社会はどこに向かうか』岩波新書)▼今こそ人類の悲願である階級社会の廃絶を問題とし、自然と並び人間自身が搾取材料となっている根拠である私有財産の廃止、賃金奴隷制度の廃止が必要なこと、そして犠牲を恐れない労働者による意識的な革命が必要だということを明確に言い切るべきである。
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