7・17請求異議 「強制執行は違憲・違法」 学識者2人が圧巻の意見陳述

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週刊『三里塚』02頁(0996号01面02)(2018/07/23)


7・17請求異議
 「強制執行は違憲・違法」
 学識者2人が圧巻の意見陳述

(写真 反対同盟を先頭に千葉市街地をデモ行進【17日】)

 7月17日、千葉地裁民事第5部(高瀬順久裁判長)で第8回請求異議裁判が開かれた。
 高瀬裁判長による結審策動を押し返し、NAAによる市東孝雄さんの農地取り上げ強制執行がどれほど許しがたい違憲・違法な攻撃であるかを立証する学識者の意見陳述が実現した。反対同盟を先頭に労働者・農民・学生など120人が結集し共に闘い抜いた。
 正午過ぎ、千葉市中央公園で反対同盟の太郎良陽一さんの司会で決起集会が開かれた。反対同盟を代表し伊藤信晴さんが「営々と貫いてきた軍事空港反対の闘いが求められる時が来た。全人民とつながって戦争を阻止し、市東さんの農地を守ろう」と呼びかけた。
 動労千葉の川崎昌浩書記長はじめ全国の仲間が市東さんと共に闘う決意を述べた。産直の出荷を終えて市東さん、萩原富夫さんが駆けつけ、炎天下、デモが出発した。
 宣伝カーからは婦人行動隊の宮本麻子さんが、農地を守る訴えを熱烈に行った。「千葉地裁は農地強奪をするな!」——猛暑を跳ね返す怒りの声が街頭に響き、デモは千葉地裁に肉薄した。

手本となる農業

 午後2時、開廷。補佐人として法廷に立ったのは農業経済学者の石原健二さん、憲法学者の内藤光博さんの2人。それぞれが1時間を超える熱弁を振るい、市東さんの闘いの圧倒的な正義性を明らかにした。
 石原さんは、「日本は今、食料自給率37%。農業の現状はかつてない危機にある。今日の朝日新聞に『日欧EPA(経済連携協定)産地は警戒/10府県TPP11超える打撃』と出ている」と指摘した。61年に農業基本法ができ、自立経営農家の育成、農業構造改革が進められた。その中で三里塚にもシルクコンビナート構想が出てきたが、空港問題が発生し、専業農家は激減し、その後も農業政策は変転、農産物自由化、農薬・肥料問題の発生……一般予算における農業予算は2%、ついに日本の農政はなくなった」と批判した。「この中で、無農薬・有機栽培、路地栽培で安全な食物を通年、供給するという市東さんの農業こそ、手本にしていくべき農業だ」と語り、最後に「市東さんは6月28日の法廷で『うそをつかない』と言った。うそをつかない農業を生きる道だと確信している市東さんがうらやましい。市東さんの農地はこれからも守らなければならないし、強制的に奪ってはならない農地である」と断じた。

過酷執行許さぬ

 続いて内藤さんが、「農業はどのように憲法に位置づいているのか」という視点から、「営農権」を主張した。「農業および営農が、人類の生存と平和を支える基本的条件であり、高度の『憲法的価値』および『憲法的公共性』を有することから考えると、農民には営農を行うに当たり強い憲法的保障、すなわち『営農権』と呼ぶべき基本的権利の保障がなされなければならない」
 さらに成田空港建設に伴う農地収用の「過酷執行」性を鋭く批判した。1971年に強行された土地収用法による大木(小泉)よねさんの土地・家屋の強制収用について言及し、「暴力的な強制執行の手法は、まさに生存の基盤である農地や住居を奪い去る『過酷執行』であり、生存権的財産権の侵害であった」と弾劾した。そして「市東さんの場合、適用される法律が『土地収用法』ではなく『農地法』であっても、『小泉よね事件』の強制代執行と本質的には変わりはない」と指摘した。
 結論として内藤さんは、「市東さんの魂とも言える生存権的財産権としての農地を奪うことは、憲法13条の人間の尊厳を真っ向から否定するきわめて重要な憲法違反だ。土地収用法に代わって農地法をもってする憲法違反だ。それでも恥ずかしくないのか!」と一喝した。2人の論理的で迫力ある意見陳述は傍聴者の大きな拍手で包まれた。「裁判官、わかったか!」の声も飛ぶ。
 さらに弁護団全員が、1時間あまり最終弁論の骨子を陳述した。弁護団は論理鋭く、市東さんの農地の強制執行の不当・違法性を明らかにした。
 閉廷後に場所を移し、報告集会が開かれた。拍手で迎えられた市東さんが、「石原さんと内藤さんのお話を聞いているうちに、空港会社のやり方のひどさ、自分たちの正義性を強く感じた。次回9月27日には、自分の思いのたけを話せるように頑張っていきたいと思います」と決意を語った。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が最終弁論への意気込みを語り、全員で勝利を誓い合った。
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