第3誘導路裁判 責任者隠しやめろ 裁判長の訴訟指揮を弾劾

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週刊『三里塚』02頁(0997号01面04)(2018/08/13)


第3誘導路裁判
 責任者隠しやめろ
 裁判長の訴訟指揮を弾劾

(写真 阪本勝裁判長)


 8月3日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で第3誘導路裁判が開かれた。反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、農地強奪攻撃と騒音地獄の強制に対する怒りを一層燃やし、全力で闘った。
 この日は陪席裁判官の交代に伴う更新手続きとして、弁護団が意見陳述を行った。
 成田空港は1966年の位置決定からして根本的に違憲・違法だ。当初の富里案が地元の強い反対運動で破産した直後、政府は突然三里塚案を発表し閣議決定した。「朝鮮有事」の際には50万人の米兵を受け入れる軍事空港である。
 成田はとてつもない騒音を日々まき散らしている。航空機騒音は住民にとって単に心理的・感覚的な問題ではなく、心疾患、脳卒中、血圧異常などを引き起こして健康を直接むしばむ生理的・病理学的な被害としてある。だがNAAはそれを認め反省するどころか、「機能強化」と称して新滑走路の延長、深夜・早朝の飛行時間の延長を行おうとしている。市東さんに対しては、「騒音を承知で帰ってきたのだから騒音を受けない権利はない。受忍せよ。原告適格はない」などと言い放った。言語道断だ! 市東家は三代この地で農業を続けており、後からやってきたのが空港だ。
 すべてが市東さんに農業を断念させ、生活を押しつぶし、天神峰から追い出そうとする卑劣な攻撃だ。B滑走路とそれに続くすべての誘導路の供用の差し止めを強く求める!
 弁護団は迫力ある陳述を叩きつけた。
 続いて、阪本勝裁判長の理不尽で不公正な訴訟指揮との対決となった。弁護団が二つの変更許可処分にかかわった被告(NAA・国交省)の担当責任者名を明らかせよと求めていることについて、裁判長は被告に回答・釈明を促さない。逆に弁護団に向かって、「具体的争点との関連性において明らかにしてもらいたいことを項目的に整理して出せ」などと要求するのだ。本末転倒も甚だしい! 責任者隠しへの加担であり、証人喚問への妨害だ。
 次回期日は11月9日として閉廷した。
 伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれ、葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団がそれぞれ発言し、阪本裁判長の姿勢の根本的誤りを明快に断じた。
 午後から反対同盟と支援連は記録的な猛暑の千葉市街に繰り出し、農地強奪強制執行阻止署名を集めた。(写真

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