大地の響き 投稿コーナー

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週刊『三里塚』02頁(0999号02面08)(2018/09/10)


大地の響き 投稿コーナー

生き方を問う三里塚
 全学連 森幸一郎

 8月28日に市東さんの農地で援農させていただきました。
 モロヘイヤの収穫やアーチ状の支柱を片づける作業、出荷作業などを行いました。久しぶりの援農だったので、たった半日の作業でも体はくたくたになりました。
 その日は日差しも弱く作業もやりやすかったほうですが、夏場はほとんどが猛暑ですし、そのような中毎日農作業を行うのは並大抵のことではないと思います。
 ひとつひとつの農作物が、そのような努力の末に実り、消費者のもとに届けられていきます。
 そのことに誇りをもって農業を続け、農地を守るために闘い続ける市東さんや萩原さん、反対同盟の方々の闘志にいつも心打たれます。また、感謝しています。
 三里塚闘争に関わったすべての人が否応なく生き方を問われてきたように、三里塚の農地、市東さんの農地を守る闘いは自分自身の闘いだと思っています。
 そして、その一歩は自分にとっての戦場であるキャンパスで真正面から闘うことであり、その中で学生と団結をつくることであり、一人でも多くの人に三里塚や沖縄、労働運動や世界の闘いを伝え、現地に赴いて応援することだと思っています。
 現代に生きるほとんどの若者は三里塚闘争のことを知りませんが、三里塚闘争は青年・学生の感性に訴え、感動を与え、生きる希望を呼び起こすと信じています。
 また必ず三里塚に来ます! 次はもっと多くの仲間を連れて駆けつけます!

収穫と出荷を初体験
 東北大学 滝沢洋一

 農地を囲むフェンスの向こうに、石を投げれば届くのではないかと思われるほど接近する飛行機を見たとき、異常な光景だと率直に感じました。空港が農地を取り囲み、わざと危険な状況にして追い出そうとしているかのようでした。空港建設のため、土地明け渡しを迫られた三里塚の人たち。国の利害のために土地を明け渡せという、不合理な要求を押し通そうとする国の姿勢に反発する思いは、現地で話を聞く中で自然に理解できました。自分が育ち慣れ親しんだ場所がなくなる寂しさを想像できたからです。土地には様々な人がいて、生活し、作り上げた歴史がある。そうしたものを守ろうとする気持ちを、機動隊を導入して暴力的に弾圧する道理が果たしてあるのか、疑問を抱かざるを得ませんでした。
 「三里塚闘争は過去の出来事ではなく、現在も続いている」という言葉は胸に響きました。国を相手に闘うことは容易ではありません。長期にわたる闘いで今当事者は高齢を迎え、いかに闘争を継続させていくかが課題であるように思います。しかし、50年以上も闘い続けている歴史は決してないがしろにできるものでないし、現在においても大きな影響を与えることができると確信しています。今の社会が抱える多くの問題の本質はすべて同じです。大きな権力の理不尽の前に、声をあげることができない人が大勢います。そうした人たちはずっと黙って抑圧に耐え続けるでしょうか。違うと思います。かつて三里塚が立ち上がったように、おかしいことにはおかしいのだとはっきり言える社会は必ず実現できると思います。そのような社会でなければ、生きていてなんの充実があるんでしょうか。
 援農でモロヘイヤの収穫と野菜の出荷をお手伝いしました。すべてが初めての経験だったのでうまくできず、作業に苦労しました。大変な過程を経て野菜は作られているのだと実感すると、普段消費している食べ物が多くの人の努力の土台にあるのだなあと思いました。

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