ピンスポット 関西空港が台風で水没 沈下続く軟弱地盤 民営化で災害対応力失う

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週刊『三里塚』02頁(1000号01面06)(2018/09/24)


ピンスポット
 関西空港が台風で水没
 沈下続く軟弱地盤
 民営化で災害対応力失う


 9月4日、台風21号で関西空港は完全に水没し使用不能に陥った(写真)。日本初の24時間海上空港、民間活力導入第1号、軍事空港として進めてきた巨大プロジェクトが根底から崩壊を始め、安倍政権を直撃している。
 関空は、軟弱地盤の上に造った欠陥空港だ。埋め立て時から1期島で平均13・25㍍(最大15・7㍍)、2期島で平均15・85㍍(最大18・31㍍)も沈下している。護岸のかさ上げやジャッキアップ、止水壁などの沈下対策の弥縫策で維持してきたが、今回の台風で破綻した。空港機能の要をなす地下の電源には海水が押し寄せ水没した。
 約2週間たった16日でも、復旧したのは第1ターミナルの一部の営業で、発着便数は4割のみ。さらに国際貨物エリアは、停電や建物の損傷で復旧の見通しが立たない。空港と対岸を結ぶ連絡橋の工事もできていない。
 関空は、2016年のコンセッション(運営権の民間売却)方式による民営化で、技術者が次々と辞めていった。これが災害対応能力の低下を招いた。
 「金より命」の新自由主義が労働者を切り捨て安全をおびやかしている。関空の再開強行を許すな!

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