団結街道

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週刊『三里塚』02頁(1011号01面04)(2019/03/11)


団結街道


 花粉の季節が到来しました。毎年この時期にくしゃみと鼻水に堪えつつ植え付けるのがジャガイモです▼現在数千を超える品種があると言われるジャガイモですが、産直で作っているのは主に2種類。豊かにとれて白い「トヨシロ」と北の大地を線虫被害から守る明るい希望を、の願いが込められた「キタアカリ」。どちらも戦後に改良された品種です▼ジャガイモがオランダ人によってジャカルタ経由で日本に伝わったのは16世紀後半。ヨーロッパでは「貧者のパン」としてジャガイモに勝る功績を持つ野菜はないと言わるまでになりますが、日本では明治になるまで本格的栽培には至りません▼一方、同時期に伝わったサツマイモは、青木昆陽の功績もあって全国に広まります。飢饉をまぬがれた感謝を込め馬加村(現在の幕張)の人々が昆陽神社をつくったほどです▼ところが、戦中、戦後を過ごした世代の飢えを救ったはずのサツマイモは、感謝どころか見るのも嫌だと言うお年寄りも多い。サツマイモの圧勝だったはずの日本におけるイモ競争は現在ではジャガイモが優勢です。なぜか。天変地異による飢餓と、戦争による飢餓との質の違いが大きいというのが暫定的回答です▼芋粥(いもがゆ)はヤマノイモ。芋名月は里芋。焼き芋はサツマイモ。ジャガイモと言えば、肉じゃが、ポテトチップ……。呼称はまだ他の芋に負けて(?)います。
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