労農学連帯の力で強制執行阻止を 10・13三里塚に集まろう 生活破壊の空港許さない 敷地内反対同盟が熱く訴え

週刊『三里塚』02頁(1025号01面01)(2019/10/14)


労農学連帯の力で強制執行阻止を
 10・13三里塚に集まろう
 生活破壊の空港許さない
 敷地内反対同盟が熱く訴え


 全世界で青年・学生が、社会運営の責任を放棄し未来を奪う支配者への怒りの行動を開始している。9月27日に斎藤郁真前全学連委員長を奪還し、全学連大会襲撃事件に対する国家賠償請求訴訟で公安刑事を徹底追及した全学連は、10・4臨時国会開会日行動を呼びかけ、改憲・戦争の安倍政権打倒の先頭で闘っている。三里塚芝山連合空港反対同盟は、半世紀以上「代償を求めず、若者の未来のために」(故北原鉱治事務局長)闘ってきた。いよいよその真価を発揮するときだ。10・13集会への結集アピールを敷地内の市東孝雄さん、萩原富夫さんにいただいた。

この地で耕し続ける
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 先日の台風15号被害に多くのみなさんからの温かいご支援を頂き、心から感謝しています。
 私の農地にかかわる請求異議裁判の控訴審が始まりました。9月24日に東京高裁で第1回の裁判が開かれ、私はこれまでと変わらず、天神峰の地で農業を続けていく気持ちを陳述しました。
 昨年12月にこの裁判一審の千葉地裁・高瀬裁判長は、農地取り上げの強制執行をやめさせるように求めた私の請求異議の訴えを不当にも棄却しました。「農業をやめて出て行け」とする、農民である私への死刑判決そのものです。絶対に認めることはできません。
 天神峰と南台の農地は、私の祖父の代から100年耕してきたところです。もともと空港公団は1988年に父東市にまったく知らせずに、旧地主から小作地を買収したとしています。とんでもない違法であり、NAAが「地主」を名乗ったり、まして強制執行で私を追い出すなどという資格は全くありません。
 一審の高瀬判決はさらに、NAAの前身である空港公団が、かつて強制的手段の放棄を公約したことについて、「話し合いが頓挫した場合についても、強制的手段をとらないとまでは言ってない」と、もともとNAAさえ言っていなかった珍解釈を述べました。強制執行にお墨付きを与えるためだけにひねり出した屁理屈です。まともにいったら成り立つはずがありません。
 また一審判決は、離作補償について、その額が「平均的農業所得の150年分」とか「農業経営が行われた場合の利益の約109年分」に相当すると強調しています。これだけ払えば十分だ。農地を強制執行で取られても、その金で暮らせるだろうというのです。
 冗談じゃない。私は金がほしくてやっているんじゃない。これほど農民の尊厳を傷つける言葉はありません。私が心底求めていることは、自分の農業を続けることです。そして消費者のみなさんに新鮮で無農薬の本物の野菜を届けることです。
 また一審判決は、私が小作農であり借地であるから「権利の安定性に限界がある」、つまり取られても仕方ないなどと言い放っています。しかし、私の畑は農地解放でうちの所有となるはずだったのが、父が戦争からの復員が遅れたために小作地となったものです。そもそも自作・小作の区別なく、農地法で守られるべきもの、それが農地なのです。
 こんな不当きわまりない判決を絶対に覆すために、弁護団の先生方の力を借り全力で闘います。
 安倍政権は台風被害で苦しむ千葉県を置き去りにして、改憲をめざす新内閣のお披露目に熱中していました。戦争準備のために人びとの生活が犠牲にされるのは許せません。空港機能強化と言いながら、巨大新滑走路建設と深夜早朝の騒音が、地元住民に襲いかかろうとしています。そして「有事」となれば成田は、軍事空港として使われることが明白です。
 沖縄、福島をはじめとした全国の住民闘争、動労千葉や関西地区生コン支部を先頭とする労働組合の闘いとも連帯し、私はここで農地を守り、耕し続けます。
 10・13集会にぜひ集まってください。

若者を呼び寄せよう
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 台風15号被害に、多くの方々からお見舞い・ご支援を頂きました。
 強風によって、わが家の母屋の屋根の一部が損壊し、小屋、ビニールハウス、畑の作物などが大きな損害を受けました。そして丸2日間の停電。この過酷な状況に、正直何から手をつけていいかわからないほどのショックを受けました。毎年のように全国で災害が続いていますが、私も直接の被害を受けて、多くの被災者の方々、原発事故で家や故郷を奪われた方々の気持ちが少し理解できたような気がします。
 行政の対応は後手後手に回っていました。県は13の防災倉庫に468台の非常災害用の発電機を備蓄していたそうですが、台風通過後に貸し出されたのは2町で計6台。210台は主に信号機を動かすために使われ、残り約250台は防災倉庫に眠ったままだった。県民はそういうものを貸し出してくれることさえ知りませんでした。
 情報がまったく得られないことが、停電中で一番苦しかった。住民は不安の日々を強制されました。芝山町では熱帯夜が続く中で、夜は窓を開けるしかない。そこに飛行機の騒音が容赦なく襲いかかりました。本当なら空港を閉鎖し、着陸機を別の空港に回すよう考えてもいい事態ではありませんか。しかし、もうけを優先してとにかく受け入れ続け、空港内に1万数千人の人びとがあふれ、パニックに陥った。空港の持つ問題点が、この災害で浮き彫りになりました。一斉行動などでこの欠陥空港の問題を積極的に住民に暴露しようと思います。
 請求異議裁判控訴審が始まりました。市東さんが言ったとおり、ものわかりのよさそうな裁判長ほど油断ならず、極悪の判決を書くのが常です。気を引き締め、必要な証拠調べ、証人尋問や本人尋問を実現し、一審の反動判決を覆すために全力を尽くす決意です。来年1月16日の第2回裁判は、同盟旗開きの直後となるでしょうが、ぜひ傍聴に駆けつけてください。それが大きな力になります。司法への過度な期待はありませんが、NAAのうそと違法を徹底的に暴露・追及します。
 9月25日、日米貿易協定で「最終合意」がなされました。米国産の牛豚肉はTPP水準まで一気に関税を引き下げられ、一方コメは現在の関税が何とか維持された。日本が米へ輸出する自動車への制裁関税はないことを確認したので、安倍は「ウィンウィン」などと言っているが、結局、「車を売るために農産物を明け渡す」という農家つぶしです。こんな政治のもとで農民は生きていけないし、労働者も食糧を確保できません。
 労働組合として先進的な取り組みを行ってきた関西生コン支部への大弾圧は、絶対に許すことができません。反対同盟もこれを打ち砕くために、ともに全力で闘います。
 三里塚は代を継いで半世紀以上続く「古い」闘いですが、低賃金、非正規職化に対し声を上げようとする青年たちを励まし勇気を与え、「今」に通用する闘いだと確信します。三里塚闘争を大いに活用してぜひ若者を呼び寄せてください。


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