耕作権&新やぐら裁判 元公団3人の証人採用を 内田裁判長を徹底追及

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週刊『三里塚』02頁(1027号01面03)(2019/11/11)


耕作権&新やぐら裁判
 元公団3人の証人採用を
 内田裁判長を徹底追及

(写真 反対同盟を先頭に千葉市内デモ【10月28日】)

(写真 内田博久裁判長 )


 10月28日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で耕作権裁判と新やぐら裁判が連続して開かれた。
 開廷を前に千葉市中央公園で決起集会を開き、反対同盟を先頭に80人が市内デモを行った。地裁へ向けて行進する力強いデモには、出勤途上の労働者や地元の商店から熱い視線が注がれた。

耕作権裁判

 10時30分、耕作権裁判が開廷。文書提出命令をめぐる攻防を経ての再開で、陪席裁判官の交代に伴う更新手続きとして反対同盟顧問弁護団が意見陳述を行った。
 この裁判では、市東さんの南台の耕作地の一部をNAAが「不法耕作」と決めつけて市東さんに明け渡しを求めているが、実際にはその土地は市東家が戦前から賃借し耕してきた土地であり、まったくの言いがかりだ。NAAによる土地の位置特定はデタラメである。こんな違法は許されない。農地法裁判ではそれを不問に付したまま最高裁で反動判決が確定したが、この耕作権裁判ではここで徹底的に争う意志を突きつけた。
 次回期日は2月3日。

新やぐら裁判

 続いて同法廷で新やぐら裁判に入った。この裁判は市東さんの天神峰農地に建つ反対同盟所有のヤグラ・看板などの4つの物件について、NAAが「収去と土地の明け渡し」を求めて提訴したもの。だがそもそも、NAAが「旧地主から土地を取得した」としていることが、とんでもない違法・無効であることが重大争点だ。
 弁護団はすでに「敵性証人の必要性に関する意見書」を提出し、この中で①法理哲二(元空港公団用地部用地課長代理)②浅子直樹(元公団用地部長)③黒野匡彦(元空港公団総裁)の3人の証人調べが絶対に必要であることを述べている。
 ところが原告NAAは、「事実関係には原告・被告の間で争いがないから証人として必要ない」などと主張している。冗談ではない! いずれも事実関係に重大な争いがあり、それに基づいた土地買収の違法・無効を証明するために聞くべきことが山ほどある。
 問題は、内田裁判長の訴訟指揮だ。内田は8月の進行協議で「すでに農地裁判で判決が確定していることを前提とすれば、敵性証人の採用は困難」と漏らし、露骨にNAAに肩入れしている。そして実際の証人採否を「10月30日の進行協議で双方の意見を聞いて判断する」などと言う。
 はじめから「3人不採用」の結論ありきだ。弁護団が次々に弾劾した。まさにその「確定判決」の誤りを追及しているのだ。傍聴席からも怒りの声が次々とたたきつけられ騒然となった。
 萩原富夫さんも被告席から「われわれは密室で行われる進行協議に参加できない。この場で裁判長の見解を明らかせよ!」と一喝した。
 内田裁判長は動揺を深め応答不能になり、突如強引に閉廷を宣した。
 次回期日は12月16日。

報告集会開く

 千葉県教育会館で、裁判報告集会が開かれた。
 最初に市東さんがあいさつに立った(写真)。「今日は、どっちが被告か分からないくらい裁判所とNAAを押し込んだ。原告の資格が問われるこんな裁判は取り下げろと言いたい。早く終わらせたいという向こうの意図を許さず、徹底的に追いつめよう」と訴えて大きな拍手が湧いた。
 葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団は請求異議控訴審と一体で市東さんの農地を守る裁判闘争に勝利する決意と展望を表した。最後に萩原さんが、成田空港A滑走路時間延長強行を弾劾し、12・14現地闘争&団結いも煮会への結集を呼びかけた。

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