北総の空の下で 東京五輪 偽りの「震災復興」

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週刊『三里塚』02頁(1028号02面07)(2019/11/25)


北総の空の下で
 東京五輪
 偽りの「震災復興」


 さつま芋・里芋の収穫と保存作業がまだずいぶん残っているのに日暮れは日に日に早まって、気ぜわしさが加速する11月後半です。
 この間マスコミは、天皇代替わり行事で祝賀ムードをあおり、一夜の神事のためだけに27億かけた大嘗祭を無批判に報道しました。総予算166億円。大災害が連続した直後です。これだけあればどれだけ多くの人の生活再建に役立てられたことか! 共産党も立憲民主党も天皇制そのものを問う立場から転向して女性天皇の是非に論議をすり替えています。真に労働者・民衆の党ならば、私たちの頭の上に「国民統合の象徴」と銘打つ世襲の天皇を置くことなど認められないはずです。
 「反対するのは非国民」とばかりにお祭ムードを煽っているものがもう一つ、東京五輪です。「震災復興と福島原発のアンダーコントロール、低予算」を看板にして誘致したものの、賄賂発覚、予算高騰、猛暑不安、原発収束の嘘等々次々にぼろが出て、あきれるばかりの惨状です。ここに切り込むマスコミの何と少ないことか!
そんな中、久米宏がラジオで「復興」五輪の欺まんを指摘。8月4日付け東京新聞の特集『祝賀資本主義の罪―五輪に便乗、進む政治と大資本の暴走』は、五輪の本質を全面展開する力作でした。テロ対策と称して膨れ上がる軍備が大会後は警察活動として常態化すること、スポーツが立ち退きや抗議活動弾圧等人権侵害の隠れみのにされる現実を伝えています。
北里一枝
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