全学連三里塚現地行動隊日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 命がけの決起を 53年の闘いを学ぶ 全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎

週刊『三里塚』02頁(1029号02面02)(2019/12/09)


全学連三里塚現地行動隊日誌
 市東農地決戦の先頭に立つ
 命がけの決起を
 53年の闘いを学ぶ
 全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎

(写真 成田市営グランドで行われた集会になだれ込む機動隊と命がけで闘う全学連【68年2月26日】)

 師走に入り、すっかり日が短くなりました。午後のお茶の時間を過ぎると、あっという間に暗くなります。
 毎年この時期は、天気が良くて朝晩が冷えるというイメージですが、今年はすっきりしない天気が続いています。予報にはない雨が連日のように降り続いて、畑の土が乾く暇もありません。なかなか掘り出せないサツマイモやサトイモ、ゴボウなどの根菜への影響が心配な一方、水分たっぷりで葉物はすくすく育ち、産直ケースをにぎわせています。
 育ってきた野菜をどううまく料理して活用していくのか、消費者の方の力も借りて一緒に作っていく産直運動が試されているようです。
 11月5日、国土交通省は成田空港の基本計画を改定、これを受けて成田空港会社(NAA)は7日、事業変更の許可を申請しました。
 今月24日には公聴会も予定されており、約1100㌶の拡大で空港敷地を1・9倍にする、まさに「もう一つの空港を造る」大事業の本格着工が目前に迫っています。三里塚闘争を闘ってきた私たちに、再びの農地収奪を許すのか、これ以上の地域の破壊、騒音の拡大を許すのかが問われています。
 私は、今日求められているものは「命がけの決起」をすること、そして過去の人が「命がけ」でかちとってきたものを引き継ぎ、最大限活用することだと考えています。
 先日、私は東京の学生と一緒に三里塚闘争の学習会を行いました。ここでDVD『三里塚闘争 不屈の50年』の鑑賞などを通して、改めて53年間の闘いの歴史を振り返りました。画面に映される立木に体を縛り付けて抵抗する農民や強制代執行に体を張って立ち向かった大木よねさん、機動隊の暴力に対して投石や火炎瓶で対抗する青年や学生たちの姿に、今日香港で立ち上がっている若者たちの姿がダブって見えます。
 思えば韓国・民主労総も「チョンテイル烈士精神継承」を掲げて毎年の全国労働者大会を開催しています。1995年の民主労総結成からはるか前、1970年の青年労働者の命がけの闘いを引き継いでパククネ政権を倒し、ついに100万人の組合員を数える労働組合になりました。
 NAA社長・田村明比古は、「敷地内の96パーセントの同意を得た」として周辺住民の屈服を図っています。しかし、1989年に事業認定が失効し、土地収用法による土地取り上げが不可能になったNAAは、敷地内で1件でも住民が絶対反対で立ち上がり、空港機能強化を完成できない状況になることを何より恐れているのです。
 今月14日の現地闘争&団結いも煮会は、周辺住民を勇気づけるものとしてもかちとりたい、そして彼らにとって最大の援軍は、市東さんの農地取り上げを阻止する力を私たちがつけることです。反対同盟は、24日の公聴会にも直撃する闘争を構えています。
 全国の労働者・農民・学生は12・14現地闘争&団結いも煮会―12・24公聴会弾劾闘争に駆けつけよう!
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