明日も耕す 農業問題の今 「小農」に世界が熱い注目 新自由主義と闘う農家

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週刊『三里塚』02頁(1032号02面06)(2020/01/27)


明日も耕す 農業問題の今
 「小農」に世界が熱い注目
 新自由主義と闘う農家


 安倍政権の掲げる「農業の成長産業化」「攻めの農業」が破綻する一方で、いま、「小農」「家族農業」が評価され注目を集めている。1020号でも取り上げたが、再度スポットライトを当ててみたい。

 2018年12月の国連総会で「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言」が採択(日本は棄権)された。その前文では、小農が世界の食と農業生産の基盤をつくり、持続可能な農業生産を実践してきたと小農の役割を積極的に評価している。世界の農家戸数は約5億7千万世帯のうち、90%以上が家族農業なのだ。
 宣言成立の大きなきっかけとなったのは、2007〜08年に起こった食糧危機であり、これによる国際的な土地争奪に抵抗する小農の闘いだ。貧困と飢えに直面する小農を守ることから始まった世界の小農重視の潮流は、先進国においても新自由主義時代を生き抜く小農の再評価として展開していく。
 日本で2016年に立ち上げられた小農学会(山下惣一氏が共同代表)は、「これまでの既存の小農を基軸としながら、これのみに限定せず、農的暮らし、田舎暮らし、菜園家族、定年帰農、市民農園、「半農半X」などで取り組む都市生活者も含めた階層こそが、新しい小農と定義づけたい」としている。たしかに、小規模・家族農業を淘汰・排除していく大規模化農政を否定する取り組みは、さまざまな形で広がっている。

米も家族農主流

 では、大規模農業の象徴のように見えるアメリカ農業はどうだろうか。実はアメリカでも、小さな農業が広がっている。
 アメリカ農務省の「2012年農業センサス」によると、アメリカには211万戸の農場があり、そのうち2000㌈(約800㌶)を超える巨大農場は4%しかない。アメリカの農場の多くは、実は家族経営の小規模生産者なのだ。
 アメリカでも農家は減少を続けているが、50㌈(約20㌶)未満の小規模農場(これでも小規模か!)は2002年からの10年間で7万戸以上も増えている。
 巨大農場と一線を画する小規模生産者が消費者と直接つながるしくみとして広がっているのがCSA(コミュニティ・サポ―ティド・アグリカルチャー)だ。簡単に言うと、生産者と消費者が小売業者や流通業者を通さず直接つながり、継続的に農産物や食材を取引する手法で、日本の産直や提携に通じ、むしろ学ぶべきことが多い。

安倍農政と対決

 新しい小農は、新自由主義を拒否する農業だ。しかし、それをやり続けるためには、種子法廃止や種苗法の改悪、そしてTPPや日米貿易協定を推し進める安倍政権との対決がやはり必要だ。2月9〜10日、全国農民会議総会に集まろう。
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