大地の響き 投稿コーナー

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週刊『三里塚』02頁(1039号02面06)(2020/05/11)


大地の響き 投稿コーナー

星野碑建立に参加し
 茨城・取戻す会 日下部 伸

(写真 カフェで暁子さんと宮本麻子さん)

(写真 慰霊碑に花を手向ける暁子さん)

 4月26日、成田市天神峰の市東孝雄さん宅離れ前で天神峰カフェが開催され、星野暁子さんを先頭に、共同代表の狩野満男さん、事務局の金山克巳さんや首都圏の星野の会、労組の仲間約30人が集まり、星野モニュメントを建立した。
 私は、茨城県地域連帯労働組合・副委員長の高村さん、同執行委員のKさんと共に参加した。
 2019年10月27日に「星の木」の根本に分骨がなされたその場所の前面に建てられた名板には、次のように記せられている。『星野文昭/ここに眠る/「すべての人間が人間らしく生きられる社会を」/1971年7月三里塚闘争仮処分闘争を闘う/1971年9月三里塚第二次強制代執行阻止闘争を闘う/1946〜2019』。
 私が初めて「星の木」に出会ったのは2009年10月11日で、三里塚の全国集会の終了後、各地の星野の会の仲間と木の下で集合写真を撮影した。その頃に比べ、木は大きく成長し剪定(せんてい)も丁寧になされ、市東さんや現闘の皆さんに大事に育てらたことは感謝にたえません。
 快晴の三里の空のもとモニュメントを建立し、花を手向け線香を供え、静かな祈りを捧げた時、三里塚の闘魂、星野精神の継承・発展を参加者全員が胸に固く誓ったことでしょう。今は亡き北原鉱治さん、萩原進さん、小山衛一さんを思い出しました。死者よ、闘いの場に幾度も蘇りて我らが進む道を照らし賜え。

回復願い歩き続けた
 東京 佐藤らて

 星野文昭さんの記念プレート建立の儀式に参加しました。常々「歩くことは祈りだ」と思い込んでいる私は会場まで歩きました。去年の5月26日、前進社から星野さんのいた昭島の東日本成人矯正医療センターまで歩いて以来のことです。
 5月は季節外れの猛暑。朝3時に歩き始め、京葉道路〜五日市街道の並木で暑さを回避しつつ到着は予定通り12時。それから医療センター前の日差しを遮るものが何もない炎天下の歩道を、「星野さんの命を守れ!」ボードを掲げてひたすら歩いたのでした。(写真
 星野さんの病棟の位置に見当をつけ、叫べば声が届くかもと、私は歩きながらずっと超下手っぴーの歌を歌い続けました。ドリカムの吉田美和さんのソロ曲「生涯の恋人」。
 あの時、星野さんが亡くなるなんてこれっぽっちも思っていなかった。医療施設の整った「病院」で手術を受けることができるんだから、必ず元気になる。釈放だってあるかもしれない。二人が一緒になれるのかもしれない。そのことを何の根拠もなく、無邪気に願っていたのでした。
 しかし、現実に進行したことは真逆のことでした。
 徳島刑務所は病気を意図的に放置、四国更生保護委員会の仮釈放決定を妨害、隠蔽、「殺す」と言わんばかりの連行の経過、あまりにずさんで無責任な医療体制。何なんだ! お前ら、よってたかって星野さんを殺すためにやってきたんじゃないか! この犯罪に荷担したあらゆる連中を絶対に許さない。
 あれから1年、市東さんの畑にある「星の木」の元に分骨がされ、記念プレートが建った。星野さんと三里塚がひとつとなった。そこで暁子さんが「普通だったらこれで終わりなのですが、これからが始まりです」と宣言した。
 暁子さん、大坂正明さんを先頭に多くの人があらためて「私自身が星野だ」と覚悟を決めています。「誰もが人間らしく生きられる社会」を求めて闘いぬきましょう。

野菜青空市で即完売
 婦民全国協杉並支部 鍛冶淳子

 2月に萩原富夫さん、静江さん、市東さんはじめ、三里塚の現闘の方たちに来ていただいて、杉並で産直総会が開かれました。古くからの産直会員の方から「私の体は三里塚の野菜でできているのよ」という頼もしい発言もありましたが、やはり「若い世代に産直と三里塚闘争を広げないと先細り」という課題も明らかになりました。後日、婦民杉並支部の読者会で討論し、「戦争反対と子どもの幸福のためにたたかうは婦民の課題、産直野菜の拡大に挑戦しよう!」となり、4月に三里塚無農薬野菜の青空市をやることを決めました。
 ところが、新型コロナウイルスの緊急事態宣言下に突入。たくさんの人を集めていいの? 私たちも混んでいる電車に乗るのは大丈夫? といった迷いもありました。でも、子どもたちは学校や保育園が休みで家に閉じ込められ、ストレスたまっている。お父さんお母さんも仕事が休みになったり、感染の不安を抱えながら仕事に行かざるをえなかったり。こんな時こそ体にいい野菜食べて元気になってほしい。いい野菜食べて免疫力アップしてほしい。何よりケース野菜なら、スーパーに並ばなくても大丈夫。だからやろう! スタッフも電車やバスは使わずに自転車で集まる。お客さんがたまらないように小分けにする。ビニール手袋など感染対策も準備して開店を迎えました。
 開店と同時に、前日の大雨で巣ごもりしていた親子連れが飛び出してきました(写真)。葉っぱのついた大根や会員さん宅のおたまじゃくしに子どもたちは大喜び。イチ押しの人参、大きなたけのこ、細ネギ、三つ葉、サトイモ、サツマイモなどなど。近所にチラシ入れやお声がけしたこともあって、普段出会えない若いお父さん、お母さんが来て下さり、用意した野菜は1時間程で完売となりました。「もう完売なんだ」「次はいつ」と帰られた子ども連れの若いお父さんも。
 三里塚の野菜を知ってもらえ、地域のつながりにもなりました。「またやろうね」と話し合いました。

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