北総の空の下で 筍堀り 地中で育つ竹の秋

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週刊『三里塚』02頁(1040号02面05)(2020/05/25)


北総の空の下で
 筍堀り
 地中で育つ竹の秋


 市東さんも萩原さんも私も今年の春ほど農業に専念して過ごしたことはありません。コロナ感染防止のため集会や裁判が中止や延期になったためです。
 端境期の4月前半、久々に全員で筍(たけのこ)を掘って野菜ケースに入れました。またたく間に若竹に成長するため、旬の期間はわずかです。最盛期には足裏に穂先が当たって私でも容易に探せますが、きれいに掘るには専用の道具とコツが必要で「慣れる頃には終わってる」とは掘り手の弁。
 地面から出る前に掘った筍はえぐ味が少なく穂先が緑色ではありません。ぴったりの色を探して『青朽葉(渋みがかった緑黄色)』に行き着きました。
 今年は筍の放射能検査が2検体とも不検出でしたが、昨年は1検体が12・9ベクレル。過去9年を振り返ると原発事故の翌年は100ベクレル超え、不検出を挟みながら徐々に減ってはいるものの、筍の季節になると放射能の脅威を思い知ります。福島の仲間を思うひと時でもあります。
 原発事故、昨秋の台風禍、非正規労働などとコロナ禍が重なった所で被害が一挙に加速して、政治の無策が顕在化しました。仲間を守って共に生きるために、安倍政権とたたかいましょう。
 〝コロナ禍に 地中で育つ 竹の秋〟。竹の秋とは春の季語、初めて季語と向き合ってできた一句です。地中で筍が育つ季節、地上では竹の葉が黄ばんで舞い落ちるのです。地中の筍は未来の仲間たちです。
北里一枝

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