星野国賠訴訟始まる 暁子さん 「文昭の死の真実暴く」

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週刊『三里塚』02頁(1043号02面03)(2020/07/13)


星野国賠訴訟始まる
 暁子さん 「文昭の死の真実暴く」

(写真 司法記者クラブで記者会見【6月22日】)


 「誰もが人間らしく生きられる社会」を実現するために、国家権力の全体重をかけたでっち上げ弾圧を跳ね返し、獄中44年にわたって不屈・非転向で革命の思想を体現して闘った偉大な革命家・星野文昭同志。
 星野同志の無実を百も承知で獄死させ虐殺した国家犯罪を徹底的に暴き出し、その責任を追及する国家賠償請求訴訟が6月22日に始まった。
 この裁判は、国家犯罪を意図的・政治的に強行して仮釈放を認めなかった安倍政権・黒川元高等検事長・国家権力を被告席に立たせ打倒していく闘いと同じ意味がある。国家賠償請求という形こそとっているがこの裁判に勝利することは、星野同志の無実・無罪を勝ち取るためであり、大坂正明同志・星野同志をわれわれのもと全人民のもとに真に奪還するための歴史的闘いである。
 この第1回裁判にむけて東京地裁前では午前8時半頃から街宣・ビラまきを行い、その後の傍聴闘争に決起した。コロナウイルス情勢下で傍聴席はわずか16席しかなかったが、一刻も早く国家犯罪を暴いて断罪し、安倍政権を打倒するための裁判闘争として開始した。

肝臓がんを放置

 裁判は東京地裁民事第14部・伊藤正晴裁判長で行われた。冒頭に原告家族(兄・治男さん、弟・修三さん)を代表して妻・星野暁子さんが意見陳述を行った。「文昭の死の真実を暴き出し、文昭の死を私のもとにみんなのもとに取り戻したいと思います」と悔しさと怒りを込めて弾劾した。その上で107人の弁護団体制のもと、主任の藤田城治弁護士が訴状の説明と要旨の陳述を行った。とりわけ家族・弁護団が度重なる精密検査を要求したにもかかわらず無視して行わなかったこと。肝臓がんが14×11㌢という巨大になるまで医療放棄した徳島刑務所の責任問題。さらに東日本成人矯正医療センターにはこの大手術を行う能力もなく、あまりにもひどい医療スタッフと体制のまま大手術を強行した責任問題等々。これらのことを断罪していくことを述べた。これはいずれ数百万円もかけてコピーした膨大な押収物からも明らかにされるだろう。
 裁判終了後は、裁判所の司法記者クラブで記者会見を行い、60人の結集のもと報告集会を弁護士会館で行った。

「計画的殺人」だ

 そもそも、徳島刑務所において体重が異常に減少した事実や肝臓の状態を示すガンマGTPが18年6月時点で1年前より倍増していた。これがエコー検査より9カ月前にわかっていたにもかかわらず、倒れた時「胃けいれん」などと嘘を言って精密検査を行わず意図的に悪化させた。さらに、「手術は成功した」などと嘘の報告をして翌朝まで看護体制をとらなかった。被告・国は、手術を行った医師の名前さえ明らかにしていない。
 これらの経過を具体的に振り返ると私は星野同志の獄死攻撃は、どう見ても単なる医療ミスなどという次元の問題ではなく、「計画的殺人」とも言える虐殺だと思っている。法廷で彼らを捉えて離さず、徹底的に断罪して国家犯罪であることを認めさせ、打倒せねばならない。新たな星野闘争としての大運動をつくろう。第2回裁判は8月27日(木)午前10時30分開廷。
(三里塚野戦病院・大熊寿年)

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