一斉行動 「機能強化白紙撤回」訴え NAAの用地買収策動と対決

週刊『三里塚』02頁(1044号02面01)(2020/07/27)


一斉行動
 「機能強化白紙撤回」訴え
 NAAの用地買収策動と対決

(写真 一斉行動朝の打ち合わせ【7月19日】)

 7月19日、85回目の空港周辺情宣一斉行動が行われた。
 前夜からの激しい雨が上がった午前8時30分、反対同盟と支援連の仲間は、成田市天神峰の市東孝雄さん宅中庭に集まり、決戦本部長の太郎良陽一さんの司会で朝の打ち合わせを行った。
 冒頭、市東さんがあいさつに立った。
 「今度B滑走路から飛行機が飛ばされれば、うるさくなるかもしれないが、完全には元に戻らない。NAAの危機は2〜3年でどうにかなるものではない。今のコロナ情勢と政治の問題はみんなの関心事になっている。そういう話も住民と共有できればお願いします」
 続いて、今回用意された反対同盟ニュース第80号の説明を現地の仲間が行った。1面は、12日に行われた天神峰樫の木まつりを報じ、9月27日に成田市赤坂公園で開かれる全国集会への結集を呼びかけている。2面では、市東さんの農地取り上げ強制執行を阻むために9月2日に東京高裁で行われる請求異議控訴審への傍聴を呼びかけている。3面では、航空バブルの崩壊と機能強化の白紙撤回の訴え。4面で、地域住民の「頻繁に手軽に世界を旅行する時代は終わった。空港拡張は必要ない」「コロナ対策を後回しにする安倍政権を終わりに」との声を紹介している。さらに、陸上自衛隊木更津駐屯地へのオスプレイ配備を弾劾している。
 打ち合わせの最後に萩原富夫さんが発言した。 「樫の木まつりで反転攻勢のときが来たと決意をあらたにした。新やぐら裁判が結審されたが、追い詰められているのはNAAだ。ねばり強く闘い勝利を切り開こう」
 一同、同盟ニュースを手に担当地域へと飛び出した。幸いにもこの日は一日雨が降ることはなく、時折雲の切れ間から太陽も顔を出した。繁殖の時期を逃した季節遅れのウグイスや少し気の早いセミの鳴き声がB滑走路閉鎖後の静かな農村地帯に響く。
 畑仕事に励む農家も多く、ある農家は、「スイカは前半はよかったけど、この長雨で腐りが入ってだめになった」と漏らした。年々天候不順がひどくなる中、必死で作物を育て生活している。愛着ある農地は絶対に手放したくないというのがすべての農家の本音だ。
 NAAはコロナ情勢下にもかかわらず、「自粛」することなく空港拡張のための用地買収に向けた工作を行っている。移転の強要を激しく進めている地域もあった。
 しかし、地域の分断への怒りは根強く、コロナ情勢と相まって、「やはり機能強化は白紙撤回しかない」という声も強固に存在している。いくら測量や家屋の査定が行われようが、断固として反対を貫けば、イージスアショアが撤回されたように機能強化は必ず粉砕できる。
 さらに安倍政権への激しい怒りも寄せられた。
 「Go To キャンペーンなんかやめて、コロナ対策で一番大変な思いをしてがんばっている医療労働者に手当を回すべきだ」「アメリカでは何万人も亡くなっている。このままコロナ対策をしなければ大変なことになる。空港機能強化どころじゃない」
 午後4時半、再び中庭に集合して一日の集約を行い、反対同盟の訴えが住民に確実に浸透していることを確認した。
 次回行動日は8月23日。
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