三里塚反対同盟のアピール 9・27全国集会成田市赤坂公園に集まろう 今こそ成田空港廃港へ

週刊『三里塚』02頁(1047号01面01)(2020/09/14)


三里塚反対同盟のアピール
 9・27全国集会成田市赤坂公園に集まろう
 今こそ成田空港廃港へ


 安倍は、森友・加計疑獄、「桜を見る会」、河井夫妻問題、検察庁法改悪策動など数々の不正と腐敗を居直り続けたがついに耐えきれず、改憲の野望を果たすことなく無様に辞任した。他方、「反戦・反権力の砦」=三里塚は健在だ。半世紀以上貫いてきた「農地死守・実力闘争」「労農連帯」の闘いで成田空港を廃港に追い込み、新自由主義にトドメを刺すのは今だ。三里塚芝山連合空港反対同盟の事務局4氏に9・27全国集会へのアピールをいただいた。(2面も)

この農地を耕し続ける
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 日ごろからの皆さんの厚いご支援に心から感謝しています。
 新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によって、成田空港の利用客が激減し、4月12日にB滑走路がついに閉鎖にいたりました。これまでひっきりなしに激しい騒音をまきちらしていたジェット機が姿を消し、タイヤの臭いや排気ガスもなくなりました。鳥のさえずりも聞こえるほどです。今まで飛行機のうるささには慣れていたつもりでしたが、騒音が消えてみると、あらためてこれが天神峰の本来の姿であることが久しぶりに実感できました。
 7月22日にB滑走路は再開されましたが、動いている飛行機はごくわずかで、実際にはB滑走路などもう必要がないことが明らかです。
 空港がこれほどさびれてしまったのは、もちろんコロナがきっかけですが、もともと右肩上がりの旅行客数を予想して空港を際限なく強化・拡張していくという思惑自体に無理があったのです。芝山町に3500㍍の第3滑走路を建設するなどという計画が、あまりにも無謀であり、住民にとっては百害あって一利なしであることが、満天下に暴かれました。
 それでもなおNAAの田村社長は、機能強化を続けると言い張っています。「への字に曲がった誘導路をまっすぐにするために、土地を明け渡せ」と、私への姿勢を変えようとしません。新やぐら裁判でも、この空港とコロナ禍の現実を完全に無視して「やぐらと看板を撤去して土地を明け渡せ」というNAAの主張を丸ごと認めた反動判決が出されました。請求異議控訴審も、いよいよ大詰めを迎えています。
 私は百年前の祖父の代から受け継いだ農地を耕し続けてきましたが、後からきた空港があれこれ卑劣で違法な手口を使って底地を買収し、私に向かって「農業をやめて出ていけ」と迫るとは、理不尽この上ないことです。彼らには通じる言葉もない以上、私たちの力でNAAを倒産に、成田を廃港に追い込むしかありません。
 私はこれからも体の続く限りこの天神峰の地で、完全無農薬の有機農業を続けていきます。消費者のみなさんとのつながりを大事にし、「おいしい」と笑顔で喜んでもらえることを励みに野菜をつくっていきます。
 安倍が倒れたと思ったら、自民党は今度は「安倍政治の継承」などと言って騒いでいる。とんでもないことです。動労千葉、関西生コン支部などの労働者の闘いと結び、沖縄・福島との連帯を強め、改憲と戦争に反対し農地を守っていきます。
 ぜひ9・27全国集会に集まってください。

資本主義終わらせる時
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 私たちは「空港よりも農業だ。農業をつぶすな」と訴えてきましたが、コロナで現出したこの状況は、その正しさを表しています。
 成田の旅客数が前年同月比99%減で、日々巨額の赤字を重ねているということは、普通の民間企業なら倒産・廃業という危機のレベルです。もはやB滑走路だけでなく、空港自体が不要の存在になりました。私たちは「廃港せよ」という極めて真っ当な要求を突きつけていきます。
 9月2日の請求異議控訴審で市東さんと各証人の証言は、この空港の危機と、暴力的土地強奪の非道を鮮明に暴き出しました。裁判所も弁護団の準備書面に対してNAAに反論を書くよう指示しました。市東さんの農地を奪う必要が全くないという重大事態が今起きていて、請求異議の理由として裁判所も認めざるを得なかったということです。ではNAAは、空港需要が今まで以上に増えていくということを証明できるのか。不可能だと思います。どんなにあがいてもコロナ前に戻ることはありません。10・22で結審を迎えますが、絶対に反動判決を許さず、農地を守り抜く気迫で東京高裁を包囲しなければなりません。
 ついこの間まで、空港は見せかけの繁栄を誇っていました。インバウンド政策(外国人観光客誘致)、観光立国政策が、東京五輪を前面に立てて展開されてきました。富裕な外国人観光客を際限なく呼び込み、彼らの落とす金こそが経済発展の源であり、それが「地方創生」であるかのように宣伝されました。
 しかしコロナの一撃でそうした観光バブルが弾けたのです。土地の実情に即した実のある産業、特に農業を大事にせずに、地方の衰退は止まりません。とりわけ空港からの恩恵を完全に失った成田市、芝山町の危機はとてつもないものです。ヒマになった日航の職員が、周囲の農業企業に「援農」に行かされているというありさまです。
 コロナショックを契機に空港の存亡の危機が露わとなり、資本主義が完全に行き詰まっていたことがはっきりしました。それに代わる社会主義・共産主義の必要を全世界の人々が気付き始めています。アメリカでも若い世代が社会主義を支持していると聞きます。われわれには反転攻勢の時です。この歴史の変わり目に、それにふさわしいわくわくする闘いを実現しましょう。
 米中対立の激化のもと、ブルジョアジーはきっかけさえあれば軍事力を行使して、経済一発逆転を考えています。戦争は自然には起こりません。成田の軍事転用を許さず、「改憲・戦争反対」の声を上げよう。
 9・27全国集会への参加を心からお待ちしてます。

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