団結街道

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週刊『三里塚』02頁(1047号01面05)(2020/09/14)


団結街道


 日経新聞にドイツの航空会社ルフトハンザのカールステン・シュポア社長のインタビューが載った▼曰く、「グローバル化はやや鈍り、国々の経済力も縮む。以前のような成長は見込めないという前提で生きなければならない」「コロナ前も安すぎる運賃にあおられた人為的な成長で、持続可能ではなかった」「何としてでも成長を追い求めるのをやめるいい機会」と▼その上で、売上高の3割を占めている非航空部門の機内食などのケータリングや金融サービスを売却の対象とするという。ルフトハンザの多角的経営モデルは先駆的でお手本とされてきたが、コロナ危機で転換し、切り捨ての対象となっているのだ▼成田空港でも「空ナカ」でもうけるとした元JR東日本副社長で前NAA社長の夏目誠の戦略は完全に裏目に出でている。今も半数以上の成田空港内店舗は臨時休業中で、再開の目途も立たない。巨大なショッピングモールは莫大な負債となってNAAにのしかかっている▼大誤算の根本は、09年からの10年間で世界の旅客需要を2倍に無理に増やしたことにある。労働者の権利を奪い、乗員・乗客の安全を切り捨てる格安航空会社(LCC)を先頭とした低価格競争は航空バブルを生み、コロナでバブルが弾けた。米政府は航空業界に250億㌦(約2兆6500億円)を投入したが、旅客需要の回復が見込めないまま今月末で支援策が打ち切られる。危機はこれからが本番だ。
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