請求異議控訴審最終弁論に集まろう 10・22東京高裁包囲デモへ 「農地奪うな」の声集中を 空港機能強化は白紙撤回しかない

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週刊『三里塚』02頁(1048号01面01)(2020/09/28)


請求異議控訴審最終弁論に集まろう
 10・22東京高裁包囲デモへ
 「農地奪うな」の声集中を
 空港機能強化は白紙撤回しかない

(写真 天神峰・樫の木まつりに先立ち、南台農地からデモに立つ反対同盟・市東孝雄さん【7月12日】)


 三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんは、2016年10月の最高裁の上告棄却・農地法裁判反動判決確定を覆す前人未到の闘いに全力で取り組んできた。いよいよ10月22日は、東京高裁第4民事部(菅野雅之裁判長)で請求異議裁判控訴審の第4回が開かれ、顧問弁護団による最終弁論が行われる。国家権力と不屈・非妥協で闘い続けてきた三里塚闘争54年の歴史のすべてをかけ、市東さんの農地を守る闘いに立ち上がろう。高裁に提出する「農地を奪うな」の要望書を集めよう。開廷前に行われる霞が関デモに全力で駆けつけよう。

成田存亡の危機

 成田空港は新型コロナウイルス感染症拡大によって、文字通り存亡の危機に立たされている。右肩上がりの需要増という幻想に支配され、かりそめの繁栄を誇っていた去年までと比べ、旅客数・発着数は激減し、ロビーには閑古鳥が鳴き、各施設は機能を停止し沈黙している。
 東京五輪を当て込んだインバウンド(外国客誘致)・観光立国政策が完全に裏目に出た。周辺住民の生活を無視し増設を重ねてきた滑走路・誘導路など諸施設がことごとく過剰設備となって、成田空港会社(NAA)の経営に重くのしかかっている。
 観光バブル、航空バブルはコロナの一撃で破裂した。もはや航空需要の回復はありえない。
 この事態に一片の反省もなく、NAA・田村社長は「それでも空港機能強化策を続ける」「それが航空需要の回復に貢献する」と言い放った。
 みじめに破綻したNAAが、この期に及んでなお、芝山町の住民を大量に追い出して3500㍍の第3滑走路を建設し、空港の敷地を2倍にも拡張し、一帯を昼夜を問わぬ騒音地獄に叩き込み、そして「誘導路直線化」を口実に市東さんの農地を奪い取ると宣言しているのだ。こんなことを誰が許せるか!

資本主義の破綻

 祖父の代から100年耕し育んできた農地で、市東さんは今日も額に汗して完全無農薬の有機農業に取り組んでいる。54年もの長い闘いの中で労農学連帯の力で守りぬいてきたこの農地は、あらためて私たちに、自然環境と向き合う人間のあり方を問い直している。
 高度な生産力を獲得した資本主義は、人間自身が自然の一部だという単純な事実を忘れ去り、未開地の奥深くへの破壊的開拓・乱開発を進め、生物の生態系に干渉し、より速く大量・頻繁に人とモノを行き来させ、都市への極端な人口集中を促進してきた。こうして、未知のウイルスによる未曽有のパンデミックに見舞われる条件が形成された。われわれの社会は自然からの「逆襲」を受けた。
 すべては巨大資本のもうけのため、利潤獲得を動機とした資本主義の野放図な展開によって生じた事態であり、資本主義のもとでは永遠に解決不能である。だから労働者・農民・学生自身の手で資本主義体制に終止符を打ち、この社会を根底から変革し、人間らしく生きる社会を模索すべき時を迎えているのだ。
 無意味な巨大構造物と化した成田空港の諸施設が資本主義破綻の象徴だとすれば、「土に生まれ土地(つち)に生きる」三里塚農民の存在と半世紀を超すその闘争は、労農学人民の来るべき社会への希望である。市東さんという不屈で一途な一軒の農家を守ることが、全人民の人権を守り、帝国主義の戦争を阻止する闘いに通じる。
 成田の末路は廃港こそがふさわしい。NAAへの国家的救済措置を許さず、完全な倒産会社へと叩き落し、農地取り上げ攻撃を挫折に追い込むことは十分に可能だ。
 10月22日午前11時30分、まず日比谷公園霞門に結集し、「農地死守」の声を上げ首都中枢を揺るがすデモに出よう。
 反動判決をもくろむ東京高裁を徹底的に追い詰め、実力を伴った人民の正義を示そう。市東さんの農地を守り抜こう。

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 00130―0―562987 三里塚芝山連合空港反対同盟
〈銀行口座〉
 みずほ銀行成田支店 普通預金 2074135 イトウノブハル

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