第87回一斉行動に立つ 相川町長らの陳情に住民の怒り

週刊『三里塚』02頁(1048号01面03)(2020/09/28)


第87回一斉行動に立つ
 相川町長らの陳情に住民の怒り

(写真 市東さん宅離れで、一週間後の全国集会を訴える一斉行動の朝の打ち合わせ【9月20日】)

 9月20日、反対同盟と支援連の仲間は87回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。午前8時半、成田市天神峰の市東孝雄さん宅離れで朝の打ち合わせを行った。東峰の萩原富夫さんが、「いよいよ来週は全国集会だ。最後の周辺行動になるので成功に向けてがんばろう」と激励した。
 続いて、白桝の伊藤信晴さんが空港周辺情勢について報告した。
 「空港周辺9市町でつくる『成田空港圏自治体連絡協議会』は8月21日、成田空港支援を求める要望書を国に提出している。相川勝重芝山町長は小泉一成成田市長、所一重多古町長と共に国土交通省と厚生労働省を訪れ、NAAへの支援・機能強化を当初の予定通り着実に推進することをわざわざ要請した。この相川町長の変節ぶりと空港一辺倒の行政のあり方に住民の怒りの声が高まっている。存亡の危機に立つNAAを追撃し、機能強化を撤回させよう」
 当日用意された反対同盟ニュース第82号は、9・27全国集会への結集を呼びかけるものだ。コロナ・ショックは成田を直撃し続けている。8月の訪日外国人旅行者数は8700人で前年同月比99・7%減。7月のハローワーク成田の有効求人倍率は0・63倍だ。巨大な過剰設備となった空港が周辺住民の仕事を奪い、膨大な労働者が生活に困窮する事態になっている。一切の責任は国とNAAにある。右肩上がりの経済成長は夢物語だった。今こそ空港を廃港へ! 安倍の継承を掲げる菅政権を打倒しよう!
 「地域住民の声」では、金もうけがコロナ危機を生み、社会を壊していることを弾劾する成田市民と、抗議でボーリング調査が2年近く止まっていた新聞報道に勇気づけられたという芝山町民の声が紹介されている。
 一同、同盟ニュースを手に担当地域へ。
 この日は比較的涼しい曇天で、婦人行動隊の宮本麻子さんらが回った成田地域のサツマイモ農家は「今年は丸いのが多いが収量は例年並み。値が安定しているうちに早く出したい」と、掘り取り、洗浄、出荷作業で大忙しだった。同じ農業を営む市東さんの裁判の行方に注目し、要望書を寄せてくれる農家も多い。
 芝山町では、騒音被害への怒りと芝山町の未来を危惧する多くの声が寄せられた。
 「相川町長は陳情までして機能強化を止めないでくれなんて、あくまで空港にしがみつこうとするのは見苦しい。第3滑走路建設はやめるべき」「夜10時以降はうるさい。NAAや国の役人はここで寝てみろ」「庭に防音部屋を作った頃はありがたいと思ったが、今ではどの家でも物置に。密閉された部屋では人間は生きられない」「飛行コースはいいかげんでどこに住んでもうるさい。空港のせいで過疎が進んで子どもらも帰らなくなる一方だ」
 また、新たに首相になった菅に対し、「あの野郎はろくなもんじゃない。誰が首相になっても政治は変わらない。反対同盟の全国集会に期待する」との声もあった。
 夕方、再び離れに集まり、農作業を終えて顔を出した市東さんと共に一日の集約を行った。次回行動日は10月18日。
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