全学連三里塚 現地行動隊日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 決戦の三里塚へ援農に行こう

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週刊『三里塚』02頁(1053号02面01)(2020/12/14)


全学連三里塚 現地行動隊日誌
 市東農地決戦の先頭に立つ
 決戦の三里塚へ援農に行こう

農業のプロを見た
 東北大学 安澤和芳

 11月末の1週間、援農に参加してきました。援農は今回で2回目で、前回は2日間だけでしたので、今回は割と長めに援農を堪能できました。
 春と秋の全国集会の時に見えるのは闘争の「プロ」としての三里塚ですが、援農で見えるのは「農業のプロ」としての三里塚です。
 市東さんの畑の春菊の収穫。寒くなるとスーパーでよく見かける、鍋に入れたら最高の食材です。細いものや、硬いものは収穫せず、太さや長さを見極めて収穫します。
 萩原さんの畑でのゴボウ掘り。土の下にまっすぐに生えているゴボウを収穫するのは骨が折れる作業。できるだけ折らないように奥深くまで土を掘り、ちから加減を調節しながら引っこ抜かないといけない。無念にも折れてしまったゴボウの匂いを嗅ぐと、良い匂い。
 山東菜、里芋、ニンジンの収穫作業も手伝いました。山東菜は汚れていたり、ムシが食べていたりする葉を取り除いて収穫(写真)。里芋は一度掘り起こして、地面に穴をあけワラをかけて保存。ニンジンはサイズ・形で選別し、葉を取り除いて収穫。一つひとつが根気の要る作業です。
 農作物を収穫するのは小学校の家庭科の授業だったり、誰もが一度は経験したことがあると思います。自分で作った野菜は格別な味がして、不格好でも、ムシにかじられいても、食べられそうなら全部収穫したと思います。しかし三里塚では、小さいものやあまりに虫にかじられているものは出荷しません。食べる人のことをちゃんと考えた、「農業のプロ」としての三里塚の姿がありました。そしてこの「農業のプロ」という姿こそが三里塚の力強さなんだ、と発見できました。
 昼ご飯や休憩の時の会話で、コロナ禍で空港の発着便が大幅に減少し、経営が悪化した空港が廃港になっているということが話題になりました。成田空港は経営危機になり、上空を飛ぶ飛行機は明らかに減っているそうです。三里塚闘争が始まって間もなく55年、今が空港廃港のチャンスです。裁判で「農地明け渡し」の対象畑でも作業をしてきました。飛行機が飛ばないのなら滑走路を増やす理由はありません。市東さんを追い出すためだけの滑走路建設計画などつぶすしかありません。
 採れたての野菜を食べ、躊躇せずに泥だらけになって、日が暮れるまで農作業。気分が良いものです。時間をつくって援農に参加するのは大変だと思いますが、それでも多くの人に援農に参加してほしいと思いました。
 PS 市東さんの畑で、収穫し終わったピーマンの苗を引き抜く作業をしました。実っているピーマンを捨ててしまうのは勿体なかったので集めて、お土産にいただき、パンと一緒に食べました。(写真

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辺野古闘争と一体で
 沖縄大学学生自治会委員長 赤嶺知晃

 12月初旬、三里塚に援農に行きました。市東さんや全学連現地行動隊の二川光くん、現闘の方に教えてもらいながら援農することができました。
 私は不器用な方なので、市東さんや他の皆さんの足を引っ張らないか心配でした。
 私が普段働くバイト先は怒鳴り声が飛び交っていますが、三里塚現地では優しくていねいに農業のやり方を教えてもらえました。三里塚に来るかどうか迷っている学生のみなさん、援農はオススメですよ。
 今回は収穫、出荷業務、苗の植え付けなど様々なことを手伝わせてもらいました。玉ねぎの苗の移植がなかなか根気のいる作業で大変でした(写真左)。大根はポンポン抜けて収穫が楽しかったですね。
 援農中は、予想外のことも起き、市東さんや支援に来ている方が工夫して問題を解決していました。普段の農業も簡単にいかないことが多く、真剣に取り組まないとできないことです。私は、援農を一日するだけでヘトヘトになったので、農業をしながら農地強奪阻止・成田空港廃港に向けて闘う反対同盟は本当にすごいと思いました。
 今回の援農で印象的だったのは飛行機の離着陸がほとんどなかったことです。三里塚現地の集会に来ると集会中も飛行機が爆音で離着陸しているのが常ですが、今回はコロナ禍で飛行機はほとんど飛んでいませんでした。農作業を2時間やっても飛行機が飛ばない時もあり、成田空港がなければ三里塚は静かで良い場所だと思いました。援農をしながらこのまま成田空港を廃港に追い込みたいという思いがより強くなりました。
 農作業の休憩中、市東さんが「空港会社がいつ畑に何をするかわからない」と話していました。その時に、三里塚現地が今も緊張状態あると実感しました。そして、誇りをもって農業をしている市東さんの姿を見たからこそ、空港会社に心底怒りを覚えました。
 沖縄のことを市東さんがよく聞いてくれて、辺野古の話や市東さんが沖縄に来たときの話を何度かできました。
 コロナ禍でも国家権力は農地強奪と辺野古基地建設を狙っています。一方で、成田空港も辺野古基地建設計画も破綻しているという点で共通しています。三里塚と沖縄の闘いは一体であり、三里塚闘争の現場に身を置き、国家権力と闘い続ける反対同盟の姿を見ることで沖縄でも国を追い詰めることは可能だと確信しました。
 労働者民衆のデモやストライキの闘いを巻き起こし、辺野古基地建設阻止・全基地撤去に向けて闘っていきます。今度、援農に来る時は沖縄からもっと仲間を連れてきたいと思いました。
 全国の学生の皆さん、三里塚現地での援農は学ぶことが多いのでぜひ援農に来てみてください。

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