北総の空の下で 3・11福島 許せぬ汚染水放出

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週刊『三里塚』02頁(1060号02面07)(2021/03/22)


北総の空の下で
 3・11福島
 許せぬ汚染水放出


 10年目の福島を実感したいとの思いで3・11反原発福島行動21に参加しました。2・13福島沖地震で会場の屋根が壊れて、急きょ屋外開催となりました。10年後の余震と聞いて驚き、火山国日本に原発が林立する理不尽を思い知らされました。
 安倍政権は「復興五輪」をぶち上げて帰還強制と見栄えのする箱もの建設にまい進してきました。結局多額の除染マネーと建設費が大手ゼネコンの懐に入り、高線量地域や森林の除染は打ち切られました。飯舘村から放射線量を発信し続ける伊藤延由さんは「300年待たなければ大好きなキノコも食べられない。原発が制御できるというのは人間のおごりだ」と訴えました。
 喫緊の課題は政権が強行しようとする汚染水海洋放出です。前出の伊藤さん、写真家の飛田晋秀さん、希望の牧場の吉澤正巳さん、椎名千恵子さんの座談会が、政経東北という月刊誌に載りました。貯蔵タンクの敷地が満杯という東電と国の言い分を「マスコミがたれ流しているだけで、理由はコスト削減に尽きる」と明快です。4月から本格操業に踏み出そうとしている県漁連が反対を貫けるかがカギだといいます。座談会では、復興予算ありきの自治体に県民投票で住民の声を突き付けようとしています。
 低線量被ばくの怖さは、五感で感知できず「ただちに健康に影響はない」ことです。無症状感染が多いコロナと似ています。不安が生み出す排他性こそ最大の敵だと肝に銘じましょう。
北里一枝
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