警視庁公安による全学連大会襲撃事件 都に120万円の賠償命令 権力犯罪撃つ画期的勝利

週刊『三里塚』02頁(1065号02面04)(2021/06/14)


警視庁公安による全学連大会襲撃事件
 都に120万円の賠償命令
 権力犯罪撃つ画期的勝利


 5月31日、警視庁公安部による全学連大会襲撃事件に対する国家賠償請求訴訟で東京地裁民事第31部(金澤秀樹裁判長)は、暴行は「違法な公権力の行使」に当たるとして東京都に計120万円の支払いを命じた。(写真は記者会見
 全学連の断固とした闘いの継続と広範な支援運動の力で、権力犯罪を暴き断罪する歴史的な勝利が勝ちとられた。
 この裁判は、2016年の9月1〜2日に都内で開催した全学連大会の会場前で警視庁公安部の警察官数十人が参加者に襲いかかり、問答無用で身につけているものをはぎ取る、首を絞める、殴るなどの暴行をふるったことに対し、全学連と学生ら5人が東京都と警察官に計1200万円の損害賠償を求めていたものだ。(全学連は特別公務員暴行陵虐罪で告訴したが検察は無視抹殺し裁判は開かれなかった)
 警視庁は自らが撮影していた動画を最後まで証拠として出さなかった。被告として引きずりだされた公安刑事たちは、原告側の動画で映し出された明白な暴行について、判で押したように「職務質問に付随する行為で違法ではない」と主張した。
 裁判所は、公安刑事の主張を裏付ける証拠がないとして採用しなかった。刑事たちの証言は虚偽、ウソであったと認定されたに等しい。暴行を行ったのみならず、さらに口裏を合わせてウソで押し通そうとしたが、そうはいかなかったのだ。
 他方で、全学連に対する賠償は認めなかった。曰く、「逮捕された参加者はおらず、組織的に暴行を行うと決定したとは考えがたい」「暴行はそれぞれの判断により行った偶発的なもの」「予定していた議事進行は完了している」「参加できなかった者が相当数いることをうかがわせる証拠はない」
 裁判所は、暴行は組織的ではないから集会の自由は侵害されていないと警視庁を擁護しているのだ。断じて許せない。控訴審で必ずひっくり返そう。

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