天神峰で「夜カフェ」 星空上映会、翌朝は南台へ

週刊『三里塚』02頁(1071号01面03)(2021/09/13)


天神峰で「夜カフェ」
 星空上映会、翌朝は南台へ

(写真 南台畑に立つ桑の木の枝を落とし【8月29日】)

(写真 市東さん宅中庭で新DVDの鑑賞)

(写真 監視やぐら前で花火大会を楽しむ)


 8月28日、三里塚芝山連合空港反対同盟による天神峰カフェの新たな企画として「夜カフェ」が開かれた。
 この日も猛暑と一日闘い抜いた上で、反対同盟、支援連絡会議、さらに東京からの参加者が午後6時台から三々五々成田市天神峰の市東さん宅の中庭に集合。反対同盟からは太郎良陽一決戦本部長、事務局員の伊藤信晴さんが参加した。
 この日はまず三里塚新DVDの屋外での「星空上映会」。
 プロジェクター、スクリーン、スピーカーなどの設置・配線準備が手際よく進められ、とっぷりと日が暮れた7時に予定通り上映が開始された。
 お菓子とコーヒーを喫食しつつ、大きなスクリーンに映し出された映像に見入った。すぐ目の前の畑の向こうでは現実の飛行機がB滑走路を行き交い、騒音をまき散らしている。そこに映像内での飛行機の騒音や現地状況が加わる相乗効果が、参加者の五感を刺激した。
 本編に加え、付録「海外メディアが伝える市東さんの闘い」も含め約1時間の映像を観終え、全員が「農地死守」の決意を新たにした。
 その後、監視やぐら前に移動し花火に興じた。もちろん大がかりな打ち上げ花火ではなく、線香花火主軸の市販の地味で簡素な顔ぶれだが、行く夏を惜しんで、この日ばかりは団結街道(跡地)を照らす光の中で心身をリラックスさせた。
 夜カフェの継続として、翌29日は朝5時に市東さんの南台の畑に集合する早朝行動。
 この日の課題は、畑の真ん中に立つ桑の木の枝落としだ。大きく葉が茂ったこの桑の木が、畑にそれなりに大きな影を落とし、作付け場所にも影響を与えているので、思い切って枝葉を伐採し日光の通りを良くしなければならない。
 夜が白々と明け、飛行機の動きも始まる中、のこぎりで枝を切り、切った枝を畑の隅に片づける。太い枝はかなりの重量で、切るのも運ぶのも重労働である。太郎良さんは身軽に高所にのぼってのこぎりを引き、指揮をとった。2時間ほどの作業で、桑の木は実に「すっきり」とした見栄えとなった。
 この地に桑の木が残っているのは、三里塚闘争が始まる前に政府が進めようとした農業改革計画「シルクコンビナート構想」の名残だという。ここで大々的に養蚕を進めることを宣伝しながら、自民党・佐藤政権は1967年にそれを一瞬で踏みにじり「新東京国際空港計画」を閣議決定し、地元農家に大打撃を与えたのだった。
 全員が足元の草露と汗でびしょ濡れになりながら、約2時間の作業を終えた。
 「夜カフェ、またやりましょう。星空上映会も」と笑顔で確認しあいながら散会し、農地強奪強制執行との実力対決を貫く気概で、参加者は現地でのそれぞれの任務に戻っていった。

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