明日も耕す 農業問題の今 デジタル国家構想の虚妄 利益目的の「田園都市」

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週刊『三里塚』02頁(1074号02面04)(2021/10/25)


明日も耕す 農業問題の今
 デジタル国家構想の虚妄
 利益目的の「田園都市」


 岸田新政権は「新しい資本主義の実現」などと、これまでの新自由主義から「転換」を図るかのようなポーズをとり、その目玉の一つとして地方創生を図るための「デジタル田園都市国家構想」なるものを提唱している。
 「田園都市国家」とは、かつて大平正芳首相が掲げたもので、都市の持つ高い生産性、良質な情報と、田園の持つ豊かな自然、潤いのある人間関係を結合させ、健康でゆとりのある田園都市をつくるという構想だ。
 そして自民党幹事長・甘利明の臨時国会代表質問によれば、この「田園都市国家構想」に、現在のデジタル技術やビッグデータを活用し、ドローン宅配や自動運転、リモート教育など、最新の技術とデジタルインフラを地方に展開することで、地方にいても都市部並みの収入を得られ、新型コロナウイルス感染症拡大にも速やかに対応できる社会を実現させるというのが「デジタル田園都市国家構想」だ。

農業で強力推進

 だが、その中身は高速通信網の整備や農業のスマート化など既出のものばかり。
 それに、昨年6月11日には、自民党のデジタル社会推進特別委員会が「デジタライゼーション政策に関する提言 デジタルニッポン2020〜コロナ時代の田園都市国家構想〜」というものをすでに出している。
 つまり、安倍―菅政権で進めていたデジタル推進政策を踏襲し、より強力に推し進めようというのがこの構想だ。
 「地方創生」のくくりで語られ、一見農業とは無縁のように見える。だが、日本農業新聞のインタビュー記事(10月23日付)で甘利は、「(農政の)柱に据えるのは農業のデジタル化だ」と答えている。
 「(デジタル田園都市国家構想の)中核となるのが地方の基幹産業である農林水産業だ。農家が当たり前のようにデジタル技術を活用する姿をつくることは、次世代の農業を担う若者にとっての産業としての魅力につながる。地方創生の基盤になる」と言う。

企業が大もうけ

 デジタルを活用すれば成長産業になる、儲かる農業になるというのか。成否はともかく、誰がここに魅力を感じるのかといえば、それは企業だ。
 代表質問での甘利の「未来絵図」も、おしなべて企業の莫大な利益につながるものばかりではないか。デジタル社会推進特別委員会の提言も、まとめるにあたってヒアリングを行っているが、その対象はほぼすべて、デジタル推進の企業・団体だけだった。「誰一人取り残さない人に優しいデジタル化」というが、実際は「誰一人取りこぼさない企業にうれしいデジタル化」だ。
 デジタル田園都市国家構想は、装いを変えて新自由主義を推し進めるものに他ならない。
 岸田政権のペテンを許すな! 新自由主義を終わらせよう。11・7集会に総結集して岸田政権を打倒しよう。
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