農地強奪許すな!市東さんの闘いこそ正義 12・6耕作権裁判へ 千葉地裁へデモで進撃を 改憲・戦争の岸田政権倒せ

週刊『三里塚』02頁(1076号01面01)(2021/11/22)


農地強奪許すな!市東さんの闘いこそ正義
 12・6耕作権裁判へ
 千葉地裁へデモで進撃を
 改憲・戦争の岸田政権倒せ

(写真 市東さんの南台農地からデモ行進【7月11日】)

(写真   B滑走路誘導路をへの字に曲げる南台農地)


 岸田政権は議席数こそ「絶対安定多数」を確保しているものの、本質的には安倍―菅政権を倒した労働者人民の怒りでいつ打倒されてもおかしくない脆弱な支配基盤の上にある。この中で政権内部から、防衛費2倍化、敵基地攻撃能力の保有、任期中の改憲を成し遂げ、中国侵略戦争に突き進むしかないという衝動が噴き出している。自民党は憲法改正推進本部を「実現本部」と改称し、防衛省は「防衛力強化加速会議」を立ち上げた。「改憲・戦争絶対反対!」の闘いを一層推進し、階級的労働運動・学生運動の力で岸田政権を打倒しよう。12・6耕作権裁判・千葉地裁デモに駆けつけ、改憲・戦争阻止の人民の砦=三里塚闘争の発展を勝ち取ろう。
 耕作権裁判は、2006年に成田空港会社(NAA)が市東孝雄さんの耕す南台農地の一部を「不法耕作している」として明け渡しを求めて提訴したものだ。
 市東さんは祖父の代から100年にわたって耕し続けてきた農地で日々誠実に耕し、無農薬有機野菜を育て、産直会員との信頼関係を築いてきた。NAAの提訴によって何の落ち度がないにもかかわらず、「不法耕作の男」と報じられ、屈辱的な扱いを受けた。
 NAAは市東さんをこれ以上ないほど侮辱しておきながら、裁判所からの文書提出の求めにも「ない」と居直り、逃げ切ろうとしてきた。
 だが、裁判を重ねるごとにNAAの違法、不法が暴かれ、NAAこそが犯罪者である実態が完全に明らかになっている。改めてNAAの違法の数々を確認したい。
 そもそも、NAAは市東さんが耕す農地の所有権を取得していない。
 空港公団(NAAの前身)が買収したと主張している1988年当時、天神峰には5戸の農家がそれぞれ営農に励んでいた。公団が南台農地を取得しても空港に転用できる見込みはまったくなかった。そのため小作人が耕すことを前提に「賃借権あり」で売られた。
 農地法では、地主が農地を売りたい場合は現に耕している人に優先的に売る必要があると規定されている。耕作者であった市東東市さん(孝雄さんの父)に無断・秘密裏に行われた契約は完全に農地法違反であり無効だ。
 さらに土地の位置特定もデタラメだ。空港公団は70年初頭に強制収用をするための手続きで自ら作成した図面では耕作地について正しく認識していた。87年の段階でもそうだ。だが土地特定の証拠として「同意書」「境界確認書」を提出し、88年4月以降に認識が変わったのだと主張している。なぜ変わったのか、合理的な説明はない。
 しかも、この「同意書」「境界確認書」は空港公団が作成したものであり、東市さんの署名・印鑑は偽造されたものだ。市東さんの署名とされる筆跡は脳梗塞後であるにもかかわらず滑らかで力強く、印影は欠損分が縮小している。偽造以外にありえない。
 NAAはこの2つの文書に関する地主との交渉記録などの文書類を一切提出していない。
 こうした文書が作成されなかったことはありえず、裁判所もそれを認め提出を求めている。だがNAAは「一切存在しない」と不自然極まりない主張を繰り返すのみ。偽造であることを自ら認めたに等しいのだ。
 さらに、空港公団は、小泉よねさんに対する暴力的な行政代執行など1期工事の空港建設の手法について「反省・謝罪」し、「今後はあらゆる意味において強制的な手段は取らない」「あくまでも話し合いで」と社会的に確約している。裁判という形をとった「強制収用」は許されない。
 加えて、新型コロナ感染拡大をきっかけに航空需要バブルは弾け、需要は二度と元に戻ることはない。空港への転用という目的自体が消滅した。
 12月6日、千葉地裁を包囲するデモと傍聴行動に立とう。市東さんの農地を守り、成田を廃港にたたき込もう。

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