3・27芝山現地闘争へ 第3滑走路阻止、成田を廃港に 反対同盟が大結集を呼びかけ

週刊『三里塚』02頁(1083号01面01)(2022/03/14)


3・27芝山現地闘争へ
 第3滑走路阻止、成田を廃港に
 反対同盟が大結集を呼びかけ

(写真 昨年3月芝山現地闘争で反対同盟先頭にデモ)


 ウクライナへの軍事侵攻から核戦争・第3次世界戦争への危機が現実化している。岸田政権はこの機に乗じ、さらなる大軍拡、日米軍事同盟の強化・拡大、敵基地攻撃能力の保有など改憲・戦争への道をひた走っている。全世界の労働者階級人民と連帯し、岸田政権打倒の反戦闘争の高揚を勝ち取ろう。成田軍事空港を粉砕しよう! 三里塚芝山連合空港反対同盟の事務局4氏から3・27芝山現地闘争への結集を呼びかけるアピールをいただいた。

今まで通り農地守る
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 このところ、成田新市場が開場したり、LCC専用の第3ターミナルを拡張したり、入国制限を緩和したりしていますが、何でもNAA(成田空港会社)の思い通りいくかといえば絶対にいきません。
 裁判で確定した部分の私の農地を今奪ったところで空港が完成するわけではありません。もし強制執行すれば、いやがらせ以外の何ものでもないことがはっきりします。下手に手を出すと火傷すると、敵を圧倒する闘いをみなさんとともにやってこれたからこそ、いまだに農地に手を出せないんだと思います。
 私は今まで通り自然体で畑を守って闘うだけです。いつも言っていますが、沖縄、福島、三里塚を一つのものとして闘いたい。これを崩すわけにはいきません。
 福島では、全国農民会議に集う農民はじめ多くの仲間が同じく国策と闘っていることに勇気づけられています。
 沖縄でも座り込みなど粘り強く闘っています。付き合いのある沖縄の人もみんな自分より上の世代ですから若い人に続いてほしい。沖縄大学の赤嶺知晃委員長に続いてどんどん若者が立ち上がるような状況が作られれば情勢は変わると思います。三里塚も同じです。どこの闘いでもそうですけど、あきらめないで闘うことです。あきらめた時点でもう権力側に取り込まれてしまって変質が始まる。相川も昔は一緒に空港反対と言っていたのにいったん屈服するとあそこまで転落してしまうのかと。自分はできないというならただ静かに退けばいいんです。
 デモは何度かしましたが、芝山町での集会は自分自身も初めてのことです。同盟としてもどういう集会にしようかといろいろ考えていますが、基本は今までの闘いの路線を崩さずに闘うということだと思います。
 反対同盟とは直接関わりのなかった住民からも夜間飛行の差し止めとか第3滑走路建設に対して反対の声が出てきているのは大きなことです。3・27芝山文化センターにぜひ集まってください。

気候変動との闘いを
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 今はみんなロシアの戦争反対と言っていますが、いざ台湾や朝鮮半島をめぐって中国と日米が衝突したときに反戦を貫けるかが問題です。
 日本を今のロシアの側に仮に立たせてみると、台湾や朝鮮半島が「中国の勢力圏に入った」というようなものになるわけですよね。そうなれば日本は先制攻撃をしてもいいという議論が今国会等でされている。もしそんなことをすれば日本はプーチンと同じです。実際、日本はかつて台湾や朝鮮半島を植民地にして本当にひどいことをした。その歴史を繰り返してはなりません。
 もちろんプーチンのウクライナ侵攻もやってはいけないことです。だけど米・NATOの方こそがこれまで何度も力による現状変更をやってきたわけです。一方的なロシア非難キャンペーンに惑わされちゃいけない。
 今、日本企業のZOZOTOWNがTシャツを作ってその売り上げをウクライナ支援に使うとか、ドン・キホーテが避難民を受け入れるとか言っています。ユーゴやアフガン、イラク、シリアと戦争はいくらでもあったのになぜ今これほど反応するのか。戦争を利用しているとしか思えない。岸田政権も同じです。軍備増強、改憲・戦争への道を阻もう。
 これまで訴えてきた反戦の問題に加えて、気候危機が人類の存亡をかけた課題としてせり上がってきています。「飛び恥」運動も数年前から知ってはいましたが、私自身、気候危機と空港問題の関連についてよく分かっていなかった。
 コロナをきっかけに会議はリモートへ、観光も地球を破壊してまでやることでもないと多くの人が気づき、大量の温室効果ガスを排出する飛行機や空港なんて必要ないと若い世代を中心に行動が始まっています。このことに私たちが無自覚でいてはならないと強く思います。昨年NAAが出した「サステナブル2050」というデタラメな文書を読んで改めて空港がいかにエネルギーを浪費し、CO2や温室効果ガスを排出しているのかということを知りました。
 私たちがこれまで取り組んできた空港反対運動は気候変動との闘いでもあったんです。反対同盟が農地を守り空港と闘っている意義がより鮮明になったとも言えます。単に自分の農地を守るという農民の権利の問題だけではなく、人類史的な大きな課題と闘っていると、より自信を持ち気持ちよく空港反対の運動を進められます。
 私たちの闘いでみんなに苦労かけてなんて思うことも時にはありますが、やっぱり自分のエゴではなく、気候変動阻止という大義がある。生活の中で変えていかないといけないですが、個人の努力とか個別的に変えようとしても難しい。どこから変えていくか、大きな所から変えていく。飛行機を飛ばすな。空港を廃港へということです。
 近々、署名運動も新たに提起したいと考えています。環境問題についても国家・資本に負けずに闘ってきた三里塚が先頭で取り組むべき課題だとわかって、ある意味ではうれしいんです。機能強化絶対阻止に向けて私たちは本気で闘う決意です。3・27ぜひ大結集をお願いします。

集会弾圧打ち破った
 事務局員 伊藤信晴さん

 3・27芝山現地闘争は、第3次世界大戦への導火線に火が付くという緊迫した国際情勢の中で闘われます。
 ウクライナで人権無視、住民虐殺が行われていることを絶対に許すことはできません。
 北原鉱治事務局長もよく言っていましたが、三里塚はあらゆる人々の人権を守る砦です。人民の権利がないがしろにされたときに戦争は始まる。だからこそ徹底的に闘い人民の権利を絶対に守り抜きたい。
 私たちは、「成田軍事空港粉砕、農地死守・実力闘争」の基本路線をあらためて闘いの中心に据えて闘います。
 反対同盟が芝山文化センターの使用を勝ち取った意義は計り知れないものがあります。反対同盟を抹殺しようとした策動に対しわれわれはそれを打ち砕いた。国策(戦争)のための言論・集会弾圧を打ち破ったことを突破口に、周辺住民にさらに広く深く空港反対を呼びかけ、新たな結合をつくっていきたい。
 動労千葉は農民の闘いを手助けするという立場ではなく自らの課題としてジェット燃料貨車輸送阻止闘争を闘いました。単なる応援では闘いが厳しくなれば去っていくことになる。農民との連帯にかけても危険なものは運ばない、合理化、組織破壊を許さないと自らの闘いにしたからこそ首をかけられた。動労千葉の田中康宏顧問は韓国・民主労総との交流会で動労千葉の強さの源と紹介してくれました。このジェット闘争の過程で「拒否から阻止へ」の闘いを理解せず敵対した人たちが、階級的な闘いとしての三里塚を裏切り、最後は農民の農地を奪う立場に転落した。それが相川らです。
 これまで政府・NAA、それに屈服した人々などが一体となって、すさまじい敵意をむき出しにして反対同盟を攻撃してきたけれど、われわれがしっかりと構えて、闘い抜けば必ず突破できると確信を深めています。われわれを虫けらのごとく扱う社会をひっくり返し、戦争を阻止しましょう! 3・27芝山文化センターに集まってください。

団結、気迫、陣形あり
 決戦本部長 太郎良陽一さん

 今のウクライナの問題はやっぱり資本主義の問題だと思います。プーチンも米・NATOも「自分たちの平和のために戦争しなければいけない」と言う。支配者が戦争にもっていくために必ず出してくる転倒した論理です。自分たちのところが平和でいたいからよそを侵略してもかまわないと。それは資本主義社会の典型的で最悪な考え方なわけです。自分さえよければ相手がどうなってもかまわないという考え方を資本主義は許している。プーチンがダメとかいう問題ではなく、一切の根源が資本主義であり、そこを変えていく努力をしないといけないと思います。
 反対同盟として今声を大にして訴えたいことは、この資本主義・新自由主義の象徴としてある成田国際空港をわれわれは認めない、軍事空港も原発も基地も全部同じで、つぶさなくちゃいけないということです。
 この間、天神峰カフェに来た人たちとB滑走路の北延伸工事を阻止するためのフィールドワークをやりました。空港機能強化が行われれば、九十九里から利根川の先まで広大な地域をNAAが占領しているような状況ができる。企業は来るだろうけど農地は奪われ、殺伐とした荒地が広がる。だけど、そのど真ん中に東峰地区、天神峰地区という支配の破綻点がある。その存在の大きさを改めて感じました。市東さんの農地を守る意味、位置づけは上がっていると実感したんです。
 昨年の4月1日の強制執行実力阻止態勢の座り込みから間もなく1年です。NAAは判決を背に強制執行をやろうとしたけど、いまだに手をつけられない状況を強いています。
 負けないぞとやりぬく団結、気迫、全国の陣形があります。決戦本部にはこの地を守りたいという人は誰がきてもかまわない。自分が責任を取るので、みんながのびのびとやれるような決戦本部にしていきたい。知恵とエネルギーを貸してほしい。
 資本主義が危機の中で、人間が地域で生活してきた歴史、自分たちが築き上げてきたものが一瞬にして破壊されようとしています。コロナをきっかけに葬式とか飲み会とか村の行事が全部なくなっていく。それが主流になってきている。やる金もないわけだよね。昔は忙しくてもやっていた。それが今、全部なくなってきている。これは政策です。個人をばらばらにして全部自己責任にして。余計な集まりをするな、徒党を組むなと。この辺を変えないといけない。コロナのせいだけじゃない。
 一斉行動を長く取り組む中で、親しい人もでき、反対同盟の言動は変わらないから信頼できると言ってくれる人があちこちにいます。今度の会場貸し出しの問題も住民はみんな興味と期待をもって見ていました。今回審査請求を闘って勝ちきりました。この勝利の地平を住民の中に広げるためにも3・27に集まって下さい。

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