芝山集会へ一斉行動 反対同盟ニュースはついに100号

週刊『三里塚』02頁(1084号02面01)(2022/03/28)


芝山集会へ一斉行動
 反対同盟ニュースはついに100号

(写真 一斉行動朝の打ち合わせ【20日】)

(写真 記念すべき第100号)


 反対同盟と支援連は3月20日、105回目の空港周辺情宣一斉行動を行った。
 今回は、相川勝重前芝山町長の施設貸し出し拒否を打ち破った勝利を追い風に意気高くやりきった。とくに3・27芝山現地闘争まで残すところ1週間、反対同盟と支援連は、芝山町民など周辺住民に参加を訴えた。
 今回、「反対同盟ニュース」は発行100号をついに達成した。
 市東孝雄さん宅離れでの朝の打ち合わせが行われた。
 萩原富夫さんは、2月27日の天神峰カフェで行ったB滑走路北延伸工事地区のフィールドワークをふまえ、「今秋にも準備工事が始まる。北延伸阻止の現地闘争を構え闘おう」と提起した。また、「気候変動阻止」の課題を闘うことについて、「自然破壊、環境破壊に対する現場の闘いとして、われわれの三里塚闘争がある。今、環境問題に関心を持って世界で行動する若者たちに、こういう闘いが必要だと示し、共闘していく展望を持ちながら進めていこう」と抱負を語った。そして、市東さんの農地を守るためにも、空港機能強化に対する批判を大きくし、闘いのすそ野を広げるために、署名運動も立ち上げていくことを提起した。
 伊藤信晴さんは、芝山町施設貸し出し拒否を粘り強い闘いで粉砕した意義を強調した。「反対同盟の分裂以降、芝山では石井新二、相川勝重が反対同盟のシンボルみたいに言われてきた。文化センターをわれわれが借りたということで、彼らの政治的な影響を完全に封じ込めた。芝山での闘いは新たな段階に入った」と確認した。
 天神峰やぐら前で同盟ニュース100号達成の記念撮影を行った上(写真1面)、ニュースを携え、担当地域に散っていった。
 第3滑走路予定用地内では、次々と農民が成田空港会社(NAA)への怒りをぶつけてくる。ある農家は、「NAAは代替地も畑も用意せず『出ていけ』だ。ひどすぎるよ。自分たちでもあたっているけれど、なかなか見つからない。畑も農機具も置く場所も必要なのに...。ここにずっといたい」と語った。
 集団移転が予定されている地区の農家は以下のように胸の内を打ち明けた。「集団移転予定地では農業はできない。だから、自分たち農業を続けるものは、部落の移転交渉には入らない。息子は、農業以外の職業に就いたことがない。勤めなど無理。農業を続けさせろと言っている」「部落の集団移転交渉も中断したままだ。そもそも新滑走路が必要なのかとの声が出ている」
 騒音移転を迫られている地区ではNAAへの不満があふれ出てきた。「自分の周りは移転交渉したらしいが、代替地を買ったら補償金は終わり。それでもNAAは、他より高く買ってやるという態度でもめている」「家に隣接しない畑地・山林は買わないというのでは、うちのような離れ地を持つものは、資産を捨てるようなもの」
 今回の一斉行動では、ロシアのウクライナ侵略も論議された。住民からは、「戦争はだめだ。子どもたちを助けたい。戦争を止めるためにできることをしたい」との意思表示があった。また、「三里塚闘争は反戦の闘いです」と答えると、「がんばってください」と期待の声が寄せられた。
 集会場貸し出し拒否を打ち破ったことへの反響も大きかった。「文化センターが使えるのは当然」「相川が替わってよかった」
 夕方、市東さん宅離れに再結集した仲間は一日の集約を行った。太郎良陽一さんは、「ニュースが100号だというと『ご苦労様、そんなになるんだ』と口々に言ってくれた」と報告した。機内食会社に勤めている労働者は「仕事がなくいつ首になるかわからないから、バイトをやっている」と切々と苦境を語ったという。
 伊藤信晴さんは、同じ部落のこれまで話したことがなかった女性から戦争情勢に「世の中、本当におかしくなっている」「気候変動だってよくなる気がしない。子どもや孫の代になったらとんでもないことになる。諦めたらダメ」と強く言っていたとのこと。
 最後に市東さんが一同をねぎらい、3・27闘争に向けてがんばろうと一日の行動を締めた。

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