団結街道

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週刊『三里塚』02頁(1086号01面05)(2022/04/25)


団結街道


 三菱UFJ信託銀行が、個人投資家向けに「航空機」の証券化商品を販売すると発表した▼リース各社が航空機メーカーから購入した機体の価値を三菱UFJ信託が50万分の1程度に切り分けて個人に販売。航空会社に貸し出した機体使用料の一部を配当とし、5〜10年で3%以上の利回りを想定するという▼ところがコロナパンデミック以降、その肝心の機体を、航空会社は想定した寿命を待たずに次々と手放し、解体している。維持費に莫大な金がかかるからだ▼資本主義が不可避的に生み出すバブル経済は航空業界も飲み込み、右肩上がりの航空需要が永久に続くかのような幻想があおられたが、コロナ・ショックで需要バブルが弾け、需要は蒸発。行き場を失った機体が一気に不良債権化した。その機体を無理やりにでも売ろうというのが今回の航空機の証券化商品の個人向け販売の目的だろう▼かつて米住宅バブルの下で、住宅を作り過ぎ売れなくなった住宅を無理に買わせるために、サブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)で貧困層に住宅を売りつけた。ローン返済が滞るリスクが高いので、米金融資本はローンを証券化し、他の証券化商品とまぜて世界中にばらまいた。結果、貧困層がある程度住宅を買ったところでバブルは弾け、08年来の大恐慌の引き金となった▼何度も悲喜劇を繰り返す資本主義。航空業界の没落と三里塚闘争の勝利はいずれも不可避だ。
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