第108回一斉行動に立つ 同盟ニュースに住民の激励電話

週刊『三里塚』02頁(1090号01面02)(2022/06/27)


第108回一斉行動に立つ
 同盟ニュースに住民の激励電話

(写真 市東さん宅離れで打ち合わせ【19日】)


 6月19日、反対同盟の108回目の空港周辺情宣一斉行動が行われた。
 午前8時半、反対同盟と支援連は市東孝雄さん宅離れで朝の打ち合わせとビラの折り込み作業をした。今回は、反対同盟ニュースと7・3樫の木まつりのカラービラの2種類が配られる。同盟ニュース2面に掲載した新看板「Close the Airport!(空港を閉鎖せよ)」に注目が集まり、口々に「いい写真だ」との感想が出された。
 伊藤信晴さんが独自の騒音調査を報告した。「内窓対策で、40デシベル低くなると言っていたが、実際の結果は20〜30デシベルでもいい方。NAAのデタラメさを暴くため調査を拡大しよう」
 今回の反対同盟ニュース103号は、樫の木まつりの参加呼びかけが1面。ハイライトは4面の「地域住民の声」。騒音下に住む芝山町民の切実な訴えだ。
 打ち合わせ後各自は、強い日差しの中、周辺一帯に情宣活動を行った。芝山町では、騒音下に住む太郎良陽一さんの知り合いが、天神峰カフェに関心を示し、「今度参加してみたい」と語った。また、飛行停止を求める裁判を準備している町民は、「すぐに原告になると言う人は少なくても、声をかけ続けていく。反対同盟も頑張ってくれ。共に頑張りましょう」と励ましの言葉をくれた。
 政府批判の声も多数寄せられた。「日銀黒田の円安政策で貧乏人は生きていけない」と怒る高齢者、「インフレ、景気後退、株価暴落、戦争など、ここ数年隠されてきたことが暴かれてきた。資本主義を倒そうと言うあなたたちの主張もありだなと思う」と語る青年など多くの討論が積み重ねられた。
 夕方の集約では、市東さんが「粘り強く進もう」と樫の木まつりの成功を訴えた。
 翌日、反対同盟ニュースを読んだ芝山町民から同盟に共感する電話があった。彼は「地域住民の声」に書かれていた「騒音での移転の場合、自分で移転場所を探して土地と家を買う。お金を借りないと移転できない。利子も膨大だ」に共感し、「自分も同じ」「空港による犠牲」と怒り、反対同盟ニュースでの暴露・宣伝に期待を寄せた。

騒音下被害は深刻
 芝山町 会社員Aさん

 機能強化により第3滑走路の建設をすることで航空法の制限表面に新袖ヶ浦線(送電線)の鉄塔が引っかかるため移設工事をすると、今年の3月に鉄塔がある地域で説明会がありました。何と鉄塔が邪魔なほど低く飛行するというのです。そんな爆音では生活ができません。私の家はわずか数十㍍のところで移転対象から外れているため、朝の5時から深夜1時まで騒音を我慢しなければなりません。これでは病気にもなってしまいます。
 鉄塔移設は14基も。工事費は約200億円とのことです。鉄塔は移転できるのになぜ騒音で苦しむ家の移転はできないのでしょうか? もっと騒音下の住民のことを考えてほしいものです。
 騒音によって健康を害することはWHO(世界保健機関)でも実証済みで、高血圧や心筋梗塞や脳卒中などがあります。
 私の知っている騒音下の住民で若いのにその病気になった人や亡くなった人、また不眠症の友人もいます。これは航空機の騒音が原因なのではないでしょうか?
 「成田国際空港航空機騒音健康影響調査」というアンケートがランダムに何年かに一回届きます。それに回答すると、「あなたは不眠が疑われる......医療機関にご相談下さい」などのトンチンカンな回答が届きます。航空機の騒音が原因の不眠なのに、医師に相談して騒音がなくなるんだろうかね。
 第3滑走路の建設予定地に家や農地がある人の移転は代替地を用意してくれますが、騒音での移転の場合は自分で移転場所を探して土地と家を買い、元の場所をまっさらにしてからでないとお金が出ないそうです。それだけ手持ちのお金がある人はいいですが、お金がない人はお金を借り、利子も付くので、その分も返さなければなりません。
 その人は町外に移転場所を探しました。私も移転をするなら町外にします。芝山町の人口が年々減少している原因にもなっていると思います。新聞に「芝山町の川津場にアグリタウン芝山を作り新規入居者を募る」という記事が載っていましたが、空港ができるまえから芝山町に住んで町を盛り上げてきた住民をもっと大切にしたらどうでしょうか。
(反対同盟ニュース第103号より)

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