明日も耕す 農業問題の今 岸田「実行計画」は戦争宣言 第3滑走路建設を呼号

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週刊『三里塚』02頁(1091号02面05)(2022/07/11)


明日も耕す 農業問題の今
 岸田「実行計画」は戦争宣言
 第3滑走路建設を呼号


 岸田政権は6月7日、骨太方針22と一体で「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」(実行計画)と規制改革実施計画を打ち出した。戦争に向けた無制限の民営化・規制撤廃を労農連帯の闘いで打ち砕こう。

 実行計画では、新自由主義について、経済的格差の拡大や経済安全保障リスクの増大、市場の失敗など多くの弊害も生んだと論及した。だから新たな転換を図るというのだが、「資本主義を超える制度は資本主義でしかあり得ない。新しい資本主義は、もちろん資本主義である」と、何が何でも資本主義を貫くことを宣言している。
 その内容を一言で言うと、無制限に規制を取り払った新自由主義の極限化だ。それを具体化する規制改革実施計画では、「デジタル原則に照らす」をうたい文句に膨大な規制撤廃項目を列挙した。
 例えば、ダムや堤防などのインフラ点検はドローン、カメラを使ったデジタル監視やリモート点検にする。介護施設の管理者の常駐はテレワークに変えるという。
 さらに行政や民事訴訟・刑事司法の手続き、労働時間規制や雇用、教育、医療など対象は全般にわたる。すべてが「規制」という言葉にはあたらないものばかりだ。

農地の規制緩和

 農業についての規制撤廃は「地域産業活性化」の項目の中でさまざま触れられているが、特筆すべきは農地の問題だ。
 「企業の農地取得特例」の全国への適用拡大について、「令和4年度中に結論を得て、必要な法案を提出する」と言明した。また、「土地利用の最適化を促進するための施策」として、「成田空港の機能強化に向けて必要な物流施設の投資促進等のため」に農地転用の緩和が必要で、「令和4年度内に検討し、所要の措置を講ずる」と述べている。これは昨年1月、千葉県が国家戦略特区への指定に向けて提案した内容だ。
 これらは、5月27日に出された規制改革推進会議の答申では一言も触れていない。閣議決定でつけ加え、国や企業が農地を自由に使えるよう、一気に踏み込もうというのが岸田政権のねらいだ。

戦争止める道を

 骨太方針と実行計画、規制改革実施計画は、社会のあり方を丸ごと変えて、軍備増強と戦時経済・戦時体制に突進する国内階級戦争宣言だ。尋常な攻撃ではないからこそ、労農連帯で団結を拡大・強化して闘うことが大事になってくる。
 資本が生き延びるためには何でもありにするというなら、資本主義を倒すしかないではないか。
 実行計画では、羽田の都心上空飛行とともに「成田空港については、第三滑走路の建設を含む機能強化事業を着実に実施する必要がある」と言及している。
 まさに市東さんの農地を守り、第3滑走路建設=軍事空港建設を阻止する闘いは、岸田戦争プランを真っ向から打ち砕く道だ。この道を進もう。
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