団結街道

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週刊『三里塚』02頁(1094号01面06)(2022/08/22)


団結街道


 東京の銭湯の値段がついに500円台に突入した。たまにしか行けないが、銭湯フリークとして残念至極だ。江戸時代、かぼちゃ1個が35文の頃、湯銭は10文。現在の100円程か▼小学校時代、実家近くの銭湯には少年向け雑誌が置いてあった。湯上がりにマンガを読みながらジュースを飲んでも雑誌代よりも安かった(実は今でもそう)。友人とわざと泥だらけになってお金をねだり、よく利用した。徒歩圏内にあった銭湯のほとんどが廃業に。神戸なのに入れ墨にうるさくなったのが原因と思う▼学生時代、べ平連が非合法で手助けしたベトナム戦争からの脱走兵が「やっぱり軍隊に戻る」と言い出した際、銭湯で一緒に湯に浸かっているうちに思いとどまったというエピソードを知り、ますます銭湯好きになった▼阪神・淡路大震災を経験した中学校時代、非常時のライフラインとしても重要と認識した。電気は2日、水道は10日ほどで復旧したが、都市ガスは1カ月以上停止。料理はカセットコンロでまかなえても、風呂は無理。結果、薪で沸かしていた銭湯に大行列。3年前の房総半島台風で被災した際も、無料で開放された温浴施設にお世話になった▼日単位では衣食住が不可欠だが、数日単位では風呂もまたなくてはならない必需品だ。コロナ下でも銭湯を閉めなかったのは当然と思う。東京都は江戸に学び大幅値下げを断行されたい。反戦の温床になることは間違いないが。
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