農地死守決戦突入を宣言 成田市で全国集会開く 軍事空港粉砕、岸田打倒誓う やぐら執行停止申立却下弾劾 詳報次号

週刊『三里塚』02頁(1098号01面01)(2022/10/24)


農地死守決戦突入を宣言
 成田市で全国集会開く
 軍事空港粉砕、岸田打倒誓う
 やぐら執行停止申立却下弾劾 詳報次号

(写真 反対同盟先頭にニュータウンをデモ 成田市中心部の大通りを進むデモ隊。沿道からの反応が熱い【10月9日】)

(写真 萩原富夫さんの基調報告に聞き入る参加者)

(写真 廃港誓い反対同盟が団結ガンバロー)


 10月9日、成田市赤坂公園で三里塚芝山連合空港反対同盟主催の全国集会が開かれ、452人が結集し、岸田政権打倒を誓う反戦闘争として勝ち取られた。市東孝雄さんの農地強奪を実力阻止する決戦が呼びかけられるとともに、成田空港拡張阻止=成田軍事空港粉砕の闘いの意義が強く確認された。米日帝による中国侵略戦争が切迫し、9月30日、「公共インフラの有事の際の活用」が岸田のもとの「有識者会議」で打ち出された。それを受けたマスコミは、「普段は民間航空機しか発着していない空港を含め、有事に戦闘機が発着できる滑走路をできるだけ確保することは自衛隊と米軍の長年の懸案」と民間空港の軍事使用に道を開くキャンペーンを始めた。政府と地元の覚書などによる戦闘機の使用禁止を「運用の柔軟性に障害の縛り」などと悪罵を投げつけ、「縛りを解け」と危機感をむき出しに攻撃している。闘いの当初から「軍事空港阻止」を掲げる三里塚闘争の解体なくして、「自衛隊の対処力」=即戦体制の構築などない。東京高裁は10月18日付で反対同盟の強制執行停止申立を却下した。断じて許すことはできない。反戦闘争の爆発と一体で市東さんの農地死守決戦に立ち上がろう。

 全国集会は、「農地死守・実力闘争」「軍事空港建設阻止」を全参加者に改めて訴えるものであった。
 前半の司会を決戦本部長の太郎良陽一さんが務め、事務局の伊藤信晴さんが主催者あいさつに立った。伊藤さんは、仮執行宣言付きの新やぐら裁判控訴棄却、成田空港会社(NAA)によるB滑走路北延伸工事今秋着工の攻撃を「戦争態勢構築の始まり」と弾劾した。さらに「反対同盟は中国侵略戦争を阻止し、農地を守り、実力闘争で闘いぬく」と決意を述べ、空港拡張反対署名への協力を呼びかけた。
 東峰の萩原富夫さんが基調報告を行った。(発言要旨別掲)「すべての空港拡張計画の白紙撤回を求める署名」の推進と「改憲阻止、中国侵略戦争阻止に立ち、岸田政権を打倒しよう」と訴えた。さらに「私たち闘うものをあざ笑い金もうけする本当にふざけた人たちとどう闘うか。皆さんも各現場でそういう人たちと出会っていると思います。そんなことに負けず、私たちはまっすぐにこの社会を良くするために、戦争に反対するために、人々が本当に幸せに暮らせるよう共に闘いましょう」と呼びかけた。
 連帯あいさつの最初に動労千葉の関道利委員長は、「反対同盟と車の両輪として共に闘う」と表明し、JRローカル線廃線化を狙う国家改造攻撃と対決し、11・6労働者集会への結集を呼びかけた。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部執行委員・西山直洋さんは、組合活動への不当弾圧を弾劾した。続いて市東孝雄さんが登壇し、反動判決への怒りとともに「天神峰で耕作を続ける」と揺るぎない決意を述べ、大きな拍手を浴びた。
 反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士は、裁判闘争勝利の決意を述べた。群馬・市東さんの農地を守る会は、50人が参加した16回目の高崎集会の成功を報告した。全国農民会議の内藤大一さんは、農業破壊への怒りを表し、日本原闘争と三里塚の連帯を決意した。
 カンパアピールは婦人行動隊の木内敦子さん。後半の司会の婦人行動隊・宮本麻子さんの呼びかけで、亡くなった南三里塚の反対同盟員・野平聰一さん、三里塚教会の戸村義弘さん、野戦病院の朝田しげるさんに黙とうを捧げ、戸村さん作詞の「反対同盟の歌」を全員で熱唱した。
 福島の椎名千恵子さん、全国水平同盟、婦人民主クラブ全国協議会、星野暁子さん、泉州住民の会代表の中川育子さんなどの発言が続いた。
 全学連の矢嶋尋副委員長は、国葬粉砕闘争の勝利を報告し、強制執行を実力阻止する学生の隊列をつくることを誓った。
 さらに現地決戦本部に集う仲間が壇上に並び、代表して全学連現地行動隊の二川光隊長が強制執行実力阻止を決意表明した。最後に、太郎良さんの音頭で団結ガンバローを三唱し、成田ニュータウンのど真ん中を進むデモに出発した。
 宣伝カーからは宮本さんが「農地死守」のアピールを響かせた。デモへの沿道からの反応が熱い。歩道を行く人は立ち止まって横断幕や旗を凝視し、写真や動画を撮り、集合住宅からは鈴なりとなった人が手を振り声援を送った。

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