B滑走路北延伸に着工 反対同盟が徹底弾劾

週刊『三里塚』02頁(1099号02面01)(2022/11/14)


B滑走路北延伸に着工
 反対同盟が徹底弾劾

(写真 マスコミを集め北延伸着工を宣言。反対同盟が宣伝カーで弾劾【10月19日】)


 成田空港会社(NAA)は10月19日、マスコミ各社を集め、B滑走路を北延伸するための準備工事着手を発表した。
 B滑走路の北延伸や、来年度中に着工といわれる第3滑走路の新設は、現在の空港敷地を2倍化して膨大な農地と自然を破壊し、多くの住民を騒音と落下物の危険で苦しめるものだ。形ばかりの住民説明会でお茶を濁し、利害関係者の賛成意見を連ねた公聴会で「民意」を演出するなど、地域住民の怒りや不安を踏みにじって強行されたものだ。工事を始めたからといって、断じて認めるわけにはいかない。怒りを込めて弾劾する。
 反対同盟は早朝から工事説明会に宣伝カーを回し、工事着工を徹底弾劾した。
 始まった準備工事は、滑走路の延伸部分と交差する東関東自動車道を430㍍にわたってトンネル化する工事に先立ち、迂回用の仮設道路(切り回し道路)を建設するというものだ。
 周辺の地域と高速道路の高低差は8㍍もある。高速道路と同じ高さに掘り下げた1・2㌔の代替道路を造る工事だ。この迂回路の工事だけで、2024年の春までかかるという。それから東関道をトンネル化する。そしてその上に滑走路の延伸部分を整備するというのだ。工事を中止させる圧倒的な世論と闘いをつくり出そう。
 そもそもB滑走路は2002年に2180㍍の長さで「暫定滑走路」として運用が開始された。現在、強制執行で奪おうとしている市東さんの農地を避けたへの字誘導路には信号機を付けるなど前代未聞のことをやってのけた。国とNAAは実際に飛行機を頭上に飛ばせば出て行くだろうと考えていたのだが、東峰地区住民は生活・営農を断固として継続。そのため政府は北側への延伸を発表し、国道51号をまたぐ形で2500㍍化を強行した。さらに東峰の森を伐採して東側誘導路(第2誘導路)を造り、完成したのもつかの間、第3誘導路建設を発表。団結街道を廃道にし、13年に運用を開始した。デタラメ極まる空港拡張に終止符を打とう。
 10月21日、NAAは「『新しい成田空港』構想検討会」の初会合を東京都内で開いた。検討会は有識者と穴沢幸男副知事、それに成田市・芝山町・多古町の首長ら13人で構成される。NAAの田村明比古社長は、「滑走路整備だけでは機能強化は十分ではない」「新しい空港をもう一つ生み出すくらいの覚悟で検討していく」と述べ、現在の3つの旅客ターミナルを1カ所に集約し、「ワンターミナル」を建設するという構想をぶち上げた。断じて許せない。機能強化工事粉砕と共に「ワンターミナル構想」を粉砕しよう。

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